日本オラクルはNetSuiteの新たなAI機能を発表した。既存のAI機能を基に生成AIを含むさまざまな機能がスイート全体に組み込まれている。ERPの何がどう変わるのか、新機能の全体像を把握しよう。
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日本オラクルは2024年9月10日、「NetSuite」の新たなAI機能を発表した。この新機能によって、企業はAIを活用して財務の異常を検出し、データを新たな方法で操作できるようになる。また、生成AIをカスタマイズしてNetSuiteに統合することが可能で、効率の向上やリスク軽減、意思決定の改善が期待される。新機能の全体像を把握しよう。
Oracle NetSuiteのエバン・ゴールドバーグ氏(創設者兼エグゼクティブ・バイスプレジデント)は、「NetSuiteのスイート全体にAIが組み込まれているため、ログイン後すぐにAI機能を利用できる。AIをビジネスプロセスに組み込むことで、追加費用なしで最新のAI技術を活用し、価値を引き出すことが可能だ。今回のアップデートは、2023年に導入された数百もの生成AIユースケースを基盤にしており、さらなる生産性向上と価値の最大化を支援する」とコメントしている。
NetSuiteの新たなAI機能には、次の内容が含まれている。
財務の異常をAIが自動検出し、効率を高めながらリスクを軽減する。これにより、迅速に状況を評価し、調査が必要な活動を特定して問題解決を支援する。
生成AIと「NetSuite SuiteAnalytics Assistant」の統合により、ユーザーは自然言語を使って情報を抽出し、視覚的なレポートを作成できる。例えば、買掛金の分析や主要顧客に関するレポートを簡単に生成可能だ。
管理者や開発者がAIの応答形式やトーンを調整でき、生成AIの品質をコントロールし、エンドユーザーの生産性向上を図る。
NetSuiteのカスタマイズ機能に生成AIを組み込むことで、迅速に最新AI技術を活用し、スイート全体から価値を引き出せる。
AIコードコンパニオンによって、開発者によるNetSuiteの機能拡張やカスタマイズの効率的な構築を可能にする。定型コードの作成やテストの実行、ドキュメント生成がスムーズになる。
スイート全体のAI機能の構成や最適化をサポートし、新機能を迅速に導入して効率を向上させる。
これらの機能は、「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)に構築されている。データのプライバシーとセキュリティが重視されており、「OCI Generative AI Service」では、顧客データが外部と共有されることはないという。また、ロールベースのセキュリティにより、閲覧権限のあるユーザーのみがコンテンツにアクセスできるようになっている。
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