タニウムはAIで“自律型イノベーション”を起こす 「Tanium AEM」の設計思想とはセキュリティソリューション

IT資産全般を一元的に可視化して制御・修復するXEM(コンバージドエンドポイント管理)製品を提供するタニウムが、自動化やAIなどを活用して、より能動的かつ自律的に端末を管理するTanium AEMについて解説した。

» 2024年12月11日 08時00分 公開
[宮田健ITmedia]

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 タニウムは2024年12月6日、同社が提供する「Tanium Autonomous Endpoint Management」(以下、Tanium AEM)の新機能を発表した。これはTaniumが2024年11月に開催したイベント「Tanium Converge 2024」で発表したもので「Taniumプラットフォーム」を強化し、拡張するものだ。

 同説明会では、IT資産全般を一元的に可視化して制御・修復するXEM(コンバージドエンドポイント管理)製品「Tanium XEM」に、どのような設計思想で新たな機能を追加していくかという戦略が語られた。

タニウムが目指す「確実性という力」

 タニウムの小松康二氏(アジア太平洋日本地域 ヴァイスプレジデント《技術担当》 兼 日本法人 最高技術責任者)は、同社が顧客に提供したいものとして「The Power of Certainty」(確実性という力)を挙げた。

 「何が正解か分かりにくい時代に、自信を持って行動を起こし、判断するために必要なものを提供することが、当社の今後のソリューションやプロダクトの方向性だ」(小松氏)

 そのためにタニウムは3つの軸でソリューションを展開する。それが「信頼と安全」「拡張されたエンドポイントの可視性」、そして「自動化とAI」だ。

タニウムが考える3つの軸(出典:タニウム発表資料)

 小松氏はこの中でも「自動化とAI」の部分にフォーカスを当てて解説した。2023年のイベントでは自立型エンドポイント管理を発表し、エンドポイントを可視化、制御、場合によっては自動修復する機能を用意し、これらを自律的に実行するコンセプトを製品化していた。

 Tanium AEMでは、Tanium XEMで提供してきた機能に加え、プロアクティブなインサイトや数百万のエンドポイントから収集した世界中のデータによるリアルタイムな状況理解、信頼性と回復力の自動化に注力するという。

Tanium AEMの機能強化ポイント(出典:タニウム発表資料)

 「従来のTanium XEMでもリアルタイムに正確な情報を提供してきたが、管理者が持つ知見や経験が必要だった。Tanium AEMではタニウム自身が管理者に対し、通常と違う状況や注目すべきポイントを洞察として積極的に見せていく」(小松氏)

 タニウムユーザーの管理するエンドポイントから集まった、グローバルなデータがこれを後押しする。統計的に把握した情報をAIが学習し、インサイトとともに「他の企業と比べ何をしていないか」「同じようなアクションを実行したときにどういったインパクトをもたらすか」をあらかじめ予見できる機能が加わるという。

 さらに、例えばエンドポイントのエージェントがうまく稼働していない台数が増えたとき、統計データを基にアクションを起こせば、タニウムですぐに修復できるといった提案をする。

 「タニウムでは、ユーザーの環境で実行されたアクションを基に、結果としてクラッシュした、CPUのスパイクが発生したなどの状況を事前に把握し、スコアとして提供する『confidence score』と呼ばれる統計情報を持っている。これによって見えるだけでなく、自信を持って判断し、実行してもらう材料がある」と小松氏は説明する。

 これらの機能は、タニウムの利用者に向け順次リリースされる。「Tanium Converge 2024での発表は第1弾だ。これから数年をかけ、ほぼ自律的に動く世界を実現するために、今後も新たな機能強化を図る計画だ」(小松氏)

 小松氏はタニウムの強さとして、まず「大規模の環境をリアルタイムに可視化できること」を挙げる。自動車の自動運転を例に、「例えば“5分前”の情報を基に車線変更されたら、恐ろしくて誰も運転できない。エンドポイント管理も同様で、リアルタイムなデータを常に把握し、それを基に判断するからこそ、自律的に動かすことができる」と話す。

 もう一つは多様なデバイスへの対応だ。小松氏は「Tanium XEMで培われたエンドポイントに関わるあらゆる機能を一気通貫で提供できるからこそ自律的なエンドポイント保護が可能になる。汎用(はんよう)OSが動くデバイスだけでなく、モバイル端末やIoT、ルーター、スイッチ、プリンタなどに対しても、タニウムは同じレベルでセキュリティを実現する」と述べた。

タニウム製品は、米国国立標準技術研究所(NIST)が提唱する「サイバーセキュリティフレームワーク 2.0」(CSF 2.0)のコア機能のうち「特定」「防御」「検知」「対応」「復旧」に対応した機能を提供する(出典:タニウム発表資料)
例えば脅威ハンティングでは、ファイルの拡張子ではなくマジックナンバーと呼ばれるファイルに書き込まれた痕跡から把握できる(出典:タニウム発表資料)
AIを活用してリアルタイム性や正確性、網羅性を提供する(出典:タニウム発表資料)

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