世界的インシデントの影響で赤字転落も、CrowdStrikeが前向きなワケCybersecurity Dive

CrowdStrikeは、2024年の夏に発生した大規模なインシデントに関連して3390万ドルの費用を計上し、赤字に転落した。しかし同社のCEOであるジョージ・カーツ氏はあくまで前向きのようだ。

» 2024年12月15日 07時00分 公開
[Matt KapkoCybersecurity Dive]

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 CrowdStrikeは2024年11月26日(現地時間、以下同)の決算説明会で次のように述べた。

 「2024年の夏、『CrowdStrike Falcon』センサーのアップデートの不具合を原因とした世界的なITネットワーク障害が発生したが(注1)(注2)、当社は大規模な顧客離れを回避し、顧客を維持している」

世界的インシデントの影響で赤字転落も、CrowdStrikeが前向きなワケ

 CrowdStrikeのジョージ・カーツ氏(CEO)は、2024年10月31日に終了した2025年の第3四半期の決算説明会で「当社の顧客は、信頼できるサイバーセキュリティプラットフォームとして当社を選択している。第3四半期における顧客維持率は97%を超えており、減少幅は0.5ポイント未満だった」と述べた(注3)。

 CrowdStrikeの評判に危機をもたらした2024年7月19日のインシデント以降(注4)、この度の第3四半期が最初の四半期だった。世界的なIT障害の余波を受けて、同社は迅速に謝罪するとともに議会での証言を実施した(注5)(注6)。また、同様のエラーを防ぎ、信頼を取り戻すために社内改革を実施することを約束した(注7)。

 CrowdStrikeのCFO(最高財務責任者)であるバート・ポドベア氏は、決算説明会で「日の当たる場所から少し離れてしまったことは事実だが、私たちは本インシデントと戦い続けている」と述べた。

 CrowdStrikeの売上高は前年比約29%増の10億ドルだったが、純損失は1680万ドルであり、赤字に転落した。ポドベア氏によると、この損失は主に2024年7月19日のインシデントに関する費用として計上した3390万ドルによるものだという。

 CrowdStrikeによると、「顧客向けコミットメントパッケージ」として2024年の後半に一部の顧客に提供している割引が、長期契約の増加やCrowdStrikeのサービスの導入拡大につながっているとのことだ。

 カーツ氏は、マネージドセキュリティサービスの分野で解約があったことを認めたが、それは一般的な解約であり、広い範囲における顧客維持の成果に影響をもたらすものではないと説明した。

 「私は最大規模の顧客との会話に勇気付けられている。それらの顧客は当社が業界最高の技術を持ち、侵害を阻止し、プラットフォームの観点から全体的な運用コストを削減する能力を持っていることを理解してくれている」(カーツ氏)

 CrowdStrikeの年間経常収益は前年同期比27%増となったが、2023年に達成した35%増という成長には届かなかった。同社は、2025年の下半期には年間経常収益が再び増加するとの見通しを改めて強調した。

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