「半導体は鎮痛剤と同じ扱い」って、どういうこと? 米政府“泥縄式”調査の背景CIO Dive

さまざまな分野に多大な影響を及ぼすとみられている、いわゆる「トランプ関税」。米国の生産能力強化が狙いとされるが、半導体はどのような影響を受けるのか。

» 2025年05月31日 08時00分 公開
[Philip NeufferCIO Dive]

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 米商務省が半導体の輸入に関して通商拡大法232条に基づく調査を開始した。2025年4月16日(現地時間、以下同)に連邦政府の官報で公示された文書で明らかになった(注1)。

半導体は結局、「トランプ関税」の対象になるのか?

 同文書によると、商務長官のハワード・ラトニック氏は、半導体や半導体製造装置、それらに関連する派生製品の輸入が国家安全保障に与える影響を評価する。調査の一環として、商務省は官報掲載後21日間でパブリックコメントを受け付ける。

 同調査は、ドナルド・トランプ大統領が以前から公約していた、半導体に対する関税措置の布石になる可能性があるという(注3)。これは具体的にどういうことだろうか。

 トランプ大統領は2025年4月11日、米国の報復関税の適用除外品目にスマートフォンやノートPC(注4)、その他の一部電子機器を追加した。つまり、「半導体」に分類される品目の範囲が拡大されたことになる。

 ラトニック長官はABCニュースのインタビューに対して、「『半導体』に分類された免除対象製品も、今後1〜2カ月以内に導入される予定の業種別関税の対象には含まれるだろう」と語った。

 また同氏は、今回新たに関税免除の対象となった製品カテゴリについて、「これらの製品に対する関税も間もなく導入される。これらの製品が関税の対象外だと考えない方がいい。実際には半導体分野に含まれるものと考えるべきだ」と述べた。

 トランプ大統領は、2025年4月13日に自身が設立した団体が運営するSNS「Truth Social」に次のように投稿した(注5)。「これらの製品も、鎮痛薬であるフェンタニルの密輸を巡って宣言した国家非常事態に関連する関税の対象になる。国家安全保障に関する今後の関税調査では、半導体と電子機器のサプライチェーン全体を精査していく」

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