FPT SoftwareとForresterによる世界調査で、AI投資が広がる一方、高度運用に至る企業は26%にとどまる実態が浮き彫りになった。個別の試行錯誤から脱し、全社展開を果たすには再利用可能な共通基盤の構築と一元管理が必要となる。
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グローバルIT企業のFPT Softwareは2026年7月8日(現地時間)、Forrester Consultingと共同で実施した企業AIに関する世界調査「From Pilots to Reusable Platforms: A Blueprint for Scaling Enterprise AI」の結果を公表した。
企業のAI活用が実験段階から業務の中核へとシフトする中、個別の試行錯誤から再利用可能な基盤への移行を図り、全社規模で運用するための課題と対応策を提示している。
調査は、AIの活用拡大を単なる技術課題ではなく、企業変革に直結する課題と位置付けた。初期の試行から全社的な成果へ拡大できない企業が多く、用途ごとに閉じられた開発ではスケール化に限界があると指摘。再利用可能な基盤を使い、戦略から運用までを一つの体系で一元管理する発想が必要だと説明している。
調査はFPTの委託を受けたForrester Consultingが実施した。日本や北米、欧州、アジア太平洋の企業で意思決定を担う397人を対象にした調査に加え、自動車や金融、医療、製造、エネルギー、スポーツ各分野の上級幹部への詳細な聞き取りを基にしている。
調査結果において、組織の51%がIT予算の5%以上をAIに配分していたが、「AIを業務へ高度に組み込めている」と回答した割合は26%にとどまった。AI導入の主目的は自動化やコスト削減など業務面の改善で、AIを前提に事業モデルを設計する「AIファースト」の運営モデルを採る組織は34%だった。投資の拡大に比べ、全社的な成果へ結び付ける体制整備には差がある。
AIの実用化を妨げる要因として、「既存環境との統合の複雑さ」が41%、「部門やシステム間に分散したデータの壁」が38%を占めた。データ量が多く、業務工程が複雑な環境ほど影響が強い。「戦略や統治、運営モデルの整合に意味のある前進があった」と答えた企業も39%に限られ、技術投資への意欲と組織の受け入れ態勢に隔たりがあることが示された。
成果測定にも課題が残った。35%の組織は定量の指標を収集せず、10%はAIの成果をどの形式でも測っていなかった。数値に基づく比較がない場合、拡張すべき案件と優先度を下げる案件を選びにくい。事業価値が見込める用途でも、全社導入への道筋を描けないまま試行段階に停滞する可能性があると調査で指摘した。
こうした状況を受け、企業はAIを個別導入ではなく、設計や開発、導入、運用を含むライフサイクル全体の仕組みとして扱い始めている。企業AIの提携先を選ぶ条件において、「全工程でAIシステムを設計や配備、運用する能力」が48%、「強固な統治とセキュリティ能力」が48%、「既存システムとの円滑な統合能力」が47%だった。
地域別では、「ライフサイクル全体を支える能力への需要」が北米で59%、欧州・中東・アフリカで54%と高かった。日本とアジア太平洋において、「戦略策定から実行までを一貫して支える体制への関心」が強かった。調査は、共同で新しい仕組みを生み、複数案件で再現できる実行方法を持つ提携モデルへの移行を示している。
FPTは、個別の試行から脱し、再利用可能な基盤と明確な統治、測定可能な成果、既存環境との統合を組み合わせることが、持続的な全社活用に必要だと結論付けた。
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