35万台の監視データが示す「故障ゼロのHDD」3モデル独占の1社と、老朽化リスク:ITニュースピックアップ

クラウドストレージを手掛けるBackblazeが、35万台規模のHDD故障率データを公開した。全体の故障率が上昇する中、故障ゼロの3モデルは1社の製品が独占した。その1社はどこか。

» 2026年10月08日 07時00分 公開
[ITmedia]

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 クラウドストレージを手掛けるBackblazeは2026年9月29日(現地時間)、自社データセンターのHDD故障率をまとめた統計レポート「Drive Stats」を公開した。対象期間は2026年第2四半期(2026年4月1日〜6月30日)だ。同四半期に同社が監視していたHDDは35万9101台に上る。

 このうち起動専用の3881台と集計条件を満たさない705台を除いた35万4415台の年間平均故障率(AFR)は1.73%だった。AFRは故障件数を総稼働日数で割って年換算した値で、数値が小さいほど故障しにくい。同社は今四半期の数値を「ここしばらくで最も高い水準」と説明している。

四半期ごとの年間平均故障率の推移(出典:BackblazeのWebサイト)

 全体のAFRが上昇する一方で、故障が1件も起きなかったモデルもある。今四半期の故障ゼロは3モデルで、いずれも1社の製品だった。

故障ゼロのHDDを独占した1社はどこか

 2026年第2四半期に故障が1件も発生しなかった3モデルは、全てSeagate製だった。該当するのは以下の3モデルだ。なお集計対象は、台数が100台を超え、四半期の総稼働日数が1万日を超えるモデルに限られる。

  1. Seagate「ST8000NM000A」(8TB)
  2. Seagate「ST12000NM000J」(12TB)
  3. Seagate「ST14000NM000J」(14TB)

 故障が1件にとどまったモデルもSeagate「ST16000NM000J」(16TB)だった。故障ゼロと故障1件のモデルを全てSeagateが占めた結果について、Backblazeは誤記ではないと付記している。

 ただし、故障件数の少なさは故障率の低さを意味しない。ST16000NM000Jの稼働台数は171台で、1件の故障でAFRは2.57%に上がった。台数が少ないモデルは、1件の故障が故障率を大きく動かす。

ブランド モデル名 容量(TB) 台数 平均稼働月数 総稼働日数 故障件数 AFR(%)
HGST HUH721212ALE600 12 2,599 78.4 236,107 7 1.08
HGST HUH721212ALE604 12 13,196 59.4 1,190,182 109 3.34
HGST HUH721212ALN604 12 9,694 83.8 861,297 180 7.63
Seagate ST8000DM002 8 6,903 114.8 563,210 38 2.46
Seagate ST8000NM000A 8 239 40.4 21,499 0 0.00
Seagate ST8000NM0055 8 13,112 104.7 1,177,541 111 3.44
Seagate ST10000NM0086 10 965 101.7 86,092 22 9.33
Seagate ST12000NM0007 12 972 78.8 87,496 10 4.17
Seagate ST12000NM0008 12 18,521 73.7 1,671,057 145 3.17
Seagate ST12000NM000J 12 1,079 22 97,746 0 0.00
Seagate ST12000NM001G 12 13,177 63.7 1,193,856 44 1.35
Seagate ST14000NM000J 14 497 17 43,349 0 0.00
Seagate ST14000NM001G 14 10,498 63.2 949,396 39 1.50
Seagate ST14000NM0138 14 1,235 65.5 110,410 25 8.26
Seagate ST16000NM000J 16 171 15.4 14,221 1 2.57
Seagate ST16000NM001G 16 35,100 43.7 3,162,117 56 0.65
Seagate ST16000NM002J 16 467 41.7 42,086 4 3.47
Seagate ST24000NM002H 24 9,631 12.2 861,587 78 3.30
Toshiba MG07ACA14TA 14 37,171 67.1 3,368,924 179 1.94
Toshiba MG07ACA14TEY 14 989 42.8 89,164 6 2.46
Toshiba MG08ACA16TA 16 39,932 33.7 3,614,263 100 1.01
Toshiba MG08ACA16TE 16 6,306 51.4 568,379 16 1.03
Toshiba MG08ACA16TEY 16 4,857 53.5 439,243 44 3.66
Toshiba MG09ACA16TE 16 905 6.2 68,429 2 1.07
Toshiba MG10ACA20TE 20 25,270 12.1 2,117,524 64 1.10
Toshiba MG11ACA24TE 24 9,620 5.8 824,903 13 0.58
WDC WUH721414ALE6L4 14 8,635 64.2 783,318 23 1.07
WDC WUH721816ALE6L0 16 2,970 53.3 268,875 30 4.07
WDC WUH721816ALE6L4 16 26,827 37.5 2,432,374 77 1.16
WDC WUH722222ALE6L4 22 45,665 19.1 4,146,339 63 0.55
WDC WUH722626ALE6L4 26 7,212 3.4 462,366 12 0.95
合計 − − 354,415 − 31,553,350 1498 1.73
モデル別の四半期故障率 対象期間は2026年4月1日〜6月30日、集計対象は2026年6月30日時点で台数が100台を超え、総稼働日数が1万日を超えるモデル(提供:Backblaze)

なぜ全体の故障率は上がったのか

 今四半期は、分析対象の31モデル中10モデルでAFRが3.0%を超えた。このうち、四分位分析に基づく外れ値(AFR6.95%超)と判定されたのは以下の3モデルだ。

  1. HGST(現在のブランド名はWD)「HUH721212ALN604」(12TB、AFR7.63%)
  2. Seagate「ST10000NM0086」(10TB、AFR9.33%)
  3. Seagate「ST14000NM0138」(14TB、AFR8.26%)

 外れ値の背景としてBackblazeは、使用期間の長さと台数の少なさを挙げる。HGSTの12TBモデルは使用期間が7年近く、Seagateの10TBモデルは8年半近くに達した。Seagateの2モデルは稼働台数も少なく、10TBモデルは965台、14TBモデルは1235台にとどまる。故障件数はそれぞれ22件と25件だが、母数が小さいためAFRを大きく押し上げた。Backblazeは、AFR3.0%超のモデルの多さが全体の平均を押し上げたとみており、今後の四半期でこの傾向を注視するとしている。

 今四半期は2モデルが運用を終えた。9年近く使われた4TBのHGST「HMS5C4040BLE640」と、8年近く使われた8TBのHGST「HUH728080ALE600」だ。両モデルは前四半期に故障ゼロを記録していた。一方、新モデルの追加は2四半期連続でなかった。導入は20TB超のモデルに集中しており、今四半期のデータセットでは20TB超が全体の25%を超えた。通算の故障率(生涯AFR)は1.41%で、前四半期の1.39%から微増した。

 HDDの大容量化を巡っては、記録方式の転換も進んでいる。Backblazeは今回のレポートで、トラックを屋根板のように一部重ねて記録密度を高める「SMR」(シングル磁気記録)と、レーザーで記録面を瞬間的に加熱しながら書き込む「HAMR」(熱アシスト磁気記録)を解説した。

 SMRは従来方式のCMR(従来型磁気記録)に比べて容量を10〜25%程度増やせる半面、データの書き換え時にゾーン単位の再整理が必要になる場合がある。Western Digitalは2026年、SMRを採用した40TBのHDDを発表した。現時点でBackblazeのデータセンターにSMR方式のHDDはないが、導入した場合は対象モデルを明示して故障率を報告するという。

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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。

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