携帯ウイルス対策は「無線経由でパッチ」――InnoPath
米InnoPathは会見を開き、自社技術をアピール。携帯ウイルス対策としてMcAfeeと提携し、パターンファイルを無線で更新する考えを明かした。
米InnoPathソフトウェアは4月25日、報道会見を開き自社技術をアピールした。携帯向けウイルス対策としてMcAfeeと提携し、パターンファイル更新を無線で行うサービスを提供する考えなどを明かした。
InnoPathは、携帯向けに無線経由(OTA:Over-The-Air)でソフトウェア配信するシステムを提供する企業。たとえばドコモの端末はバグフィクスのために無線でファームアップが可能だが、これを実現するために同社技術が採用されている。
「メーカーごとに採用システムは異なるが、NEC、パナソニック モバイル、シャープ、三洋電機などがInnoPathと契約している」(同社)。海外では韓LG電子とも提携しているほか、今夏からはKDDIと提携してau端末向けに無線ファーム機能を提供する予定(2004年7月21日の記事参照)。この業種では最大手の1つといえる。
「4500万台以上の携帯が、InnoPathのソフトウェアを搭載している。営業所は日本のほかに、韓国、中国、英国にもあり、2005年1月には米Sprint PCS向けサービスを開始して米市場にも進出した」(同社)
なお、同様のサービスを提供する企業としては米Bitfoneがある(2004年10月12日の記事参照)。また、三菱電機などはこうした企業に頼らず、自社技術で無線ファームアップサービスを提供しているようだ。
携帯ウイルス対策に技術を応用
同社が力を入れるのは日本市場。「携帯は、日本が一番進んでいるから」(CEOのルオシェン氏)というのがその理由だ。
これまでのところ、同社のOTA技術はバグフィクスのツールとしておなじみだが、今後は“セキュリティ対策”としても利用してほしい考え。同社のマーケティング兼ビジネス開発担当上級副社長、デイビッド・シム・スミス氏は2004年夏ごろからSymbian OSを狙ったウイルスが話題になっている(3月4日の記事参照)ことに着目する。
「携帯のアンチウイルスソフトをインストールした上で、ウイルスの定義ファイルを更新する際にOTAで通信すればいい。非常にユーザーフレンドリーな(使いやすい)インタフェースでサービスを提供できる」(同氏)
既にMcAfeeと組んだβ版サービスを検討しており、各キャリアと話し合いを行っているとのこと。ちなみに、先日発表された「FOMA M1000」に採用された、McAfeeのパターンファイルを無線アップデートするサービスには同社は絡んでいないとのことだった。
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