画面1■the Microsoft Conference 2005

今年度のマイクロソフト最重要製品がそろうMSC2005

2005年の夏、マイクロソフトは大きな発表を立て続けに行った。長らくLonghornという開発コードで呼ばれてきた次期OS「Windows Vista」に続き、エンタープライズ向けのプラットフォームでも3つの製品の発表が予告された。「SQL Server 2005」「Visual Studio 2005」「BizTalk Server 2006」である。

 マイクロソフトが最重要製品と位置づけるこれら3製品は米国で11月7日に発表される予定だ。日本国内では、ちょうど10日後の11月17日から全国7カ所で開催される「the Microsoft Conference 2005(MSC2005)」で大々的にお披露目されることになった(画面1)。

 MSCは今回で10回目を迎える。一昨年、昨年は、MSC+Expoという形でマイクロソフト製品や同社の取り組みを広く伝えるイベントを実施してきた。そして今回のMSCでは、マイクロソフトの新製品、テクノロジー、ソリューションが、いかにビジネスをサポートするかを紹介する。そしてSQL Server 2005、Visual Studio 2005、BizTalk Server 2006の正式発表イベントとして情報の密度を上げ、ユーザーが知りたいことを知ることができるカンファレンスとなるはずだ。

 ちなみにこのMSC2005、事前登録制となっているもののすべてのセッションで参加無料だ。11月17日の東京会場を皮切りに、大阪(11月24日)、名古屋(11月29日)、広島(12月1日)、札幌(12月6日)、福岡(12月9日)、仙台(12月13日)で開催される。ぜひ参加していただき、マイクロソフトの最新動向に触れていただきたい。

 今回は、キーノートスピーチや、IT に携わる方を対象にした12のセッションのさわりを紹介しよう。

PLAN-Jの具体的な第一歩を語る


写真1■ダレン・ヒューストン氏


写真2■スティーブ バルマー氏
INFORMATION
マイクロソフト コーポレーション 最高経営責任者
スティーブ バルマー講演決定!

東京会場 ― 主力 3製品を発表

 オープニング&キーノートでは、今年7月1日に日本法人社長に就任したばかりのダレン・ヒューストン(Darren Huston)氏(写真1)が、今回発表予定の3製品を軸に「PLAN-J」を語る。日本法人社長就任前は北米地域の中小企業マーケットを担当しており、日本のエンタープライズサーバ市場の拡大を期待されている。ちなみに、マイクロソフト入社前はスターバックスのシニアバイスプレジデントとして、店舗のホットスポット(公衆無線LAN)化を成功させたやり手でもある。

 PLAN-Jとは、日本における投資拡大、技術革新、パートナーシップを柱とする3カ年計画のことだ。すでにヒューストン氏は11月に開催されたTech・Ed 2005 Yokohamaにおいて、国内エンタープライズサーバ市場、特にミッションクリティカルな分野に注力することを明らかにしている。

 今回発表されるSQL Server 2005、Visual Studio 2005、BizTalk Server 2006が、具体的にどのような変化を企業情報システムにもたらすのだろうか。それは、変化の激しいビジネス環境における「プラットフォームとしての信頼性」「より早い結果」「よりよい決断」である。実際に、先行導入したユーザーの声が紹介されるというので、ぜひ参考にしたい。

また、これら3製品の発表に伴いマイクロソフト コーポレーション CEO スティーブ バルマー(写真2)が来日し、MSC東京会場で直接これら3製品について話をすることになっている。

こちらもまた必見である。

第一人者による2つのスペシャルキーノート

 ヒューストン氏がTech・Ed 2005 Yokohamaで語ったところによれば、「Windows プラットフォームにおけるSQL Serverの国内シェアは既に51.3%まで伸びている」という。新たに投入されるSQL Server 2005は、トップレベルのOLAPに加えてETL、強化されたデータマイニングそしてレポーティングといったビジネス・インテリジェンス機能によってビジネスの意思決定を高いレベルでサポートするだろう。

 なお、スペシャルキーノート1として、トランザクション処理およびデータベースの第1人者であるジム・グレイ(Jim Gray)博士が講演する予定だ。本格的にエンタープライズビジネスに参入したSQL Server 7.0から、信頼性や可用性を大幅に向上したSQL Server 2000を経て、ついに登場するSQL Server 2005の開発秘話に期待しよう。

 最新の統合開発環境となるVisual Studio 2005の目玉は、やはりチームでの生産性を大幅に向上させるTeam Systemの提供だろう。Webアプリケーションやスマートクライアントの利用は増加傾向にあり、セキュアで高品質なアプリケーション開発が求められている。マイクロソフトでは「コードを50〜75%削減できる」と生産性の高さに自信を深めている。

 Visual Studio 2005では、開発言語の多様性、プラットフォームの統合性、開発環境そのものの操作性を徹底的に強化した。その結果、開発者の要求に十分応えられる開発環境を実現することになる。スペシャルキーノート2では、Visual Basicを設計しているアーキテクトであるポール・ビック(Paul Vick)氏が登壇、Visual Basic 2005の最新機能やLINQプロジェクトを含む展望を語る。

3つの新製品を中心に12のセッション

 それでは12セッションの中から、お勧めのセッションを紹介したい。

SQL Server 2005とOffice System

 SQL Server 2005が目指すビジネス・インテリジェンス機能の強化によってデータの活用方法はどのように変わるのだろうか。それを紹介するのが「T1-201 SQL Server 2005とOffice Systemによるビジネス・インテリジェンスの提供」だ。

 蓄積されたデータを分析し、活用するためにはまず可視化する必要がある。SQL Server 2005とOffice Systemが連動することでビジネスに有益なデータを素早く抽出することが可能となる。このセッションでは、特に、Microsoft Office Business Scorecard Manager 2005 によるデータの可視化方法について具体的な手法を解説する。ITプロフェッショナルは必見のセッションといえるだろう。

Visual Studio 2005とSQL Server 2005

 SQL Server 2005には、新たにSQL CLRと呼ばれる共通言語ランタイムが実装される。CLRは開発言語による違いを吸収する.NET Frameworkの根幹をなすランタイム エンジンだが、SQL CLRはこの CLR が SQL Server 内部にホストされる機能である。これによりSQL Server のストアドプロシージャや関数が Visual Basic や C# などの任意の言語で開発可能だ。また、開発環境はSQL Server 2005と完全に統合されたVisual Studio 2005を利用することができる、これによりデータベースプログラム開発の効率が格段に向上する。

 主に開発者を対象とするセッション「T1-203 Visual Studio 2005とSQL Server 2005によるデータベースアプリケーション開発」では、2つの製品が連携することでどのようなメリットが得られるのかを紹介する。

BizTalk Server 2006

 市場への投入は2006年を予定しているが、BizTalk Server 2006もMSC 2005で正式に発表される。BizTalk Server 2006では、SQL Server 2005やVisual Studio 2005に対応するほか、管理機能が大幅に強化される予定だ。

 BizTalk Serverといえば、企業内アプリケーション統合(EAI)、企業間取引(BtoB)、そして企業内・企業間のビジネス プロセスを管理する機能を実現するプラットフォームであり、SOA(サービス指向アーキテクチャ)ベースの実装を行う際にキーになる製品だ。これを解説するセッションが「T2-210 BizTalk Server 2006によるサービス指向アーキテクチャの実装」だ。Webサービスや既存のシステムをどのように統合していくのだろうか。

 キーノートやセッションのほかにも、SQL Server 2005、Visual Studio 2005、BizTalk Server 2006に関する疑問にマイクロソフトスタッフが答えるQ&Aコーナーが設置される。製品の新機能に関することから、ライセンスやサポートについて、疑問に思っていることをぶつけてみたい。

 また、東京会場だけになってしまうがSQL Server 2005 や Visual Studio2005 に対応するパートナーやスポンサー企業によるパビリオンの出展もある。マイクロソフトの新しいビジネスプラットフォームに対応した製品やソリューションに触れるチャンスなので、ぜひ立ち寄っていただきたい。

提供:マイクロソフト株式会社
企画:アイティメディア 営業局/制作:ITmediaエンタープライズ 編集部/掲載内容有効期限:2005年12月31日