Borlandの次の一手は「SDO」、目指すはソフトウェア開発のための「ERP」:BorCon 2004 Report(2/2 ページ)
Borlandはサンノゼで開催中のBorCon 2004で「Software Delivery Optimization」ビジョンの詳細を明らかにした。企業価値の最大化を狙うERPと、そのコンセプトは同じだ。
いまだソフトウェア開発プロセスは手動
今やソフトウェアが企業のビジネスプロセスを洗練させ、そのスピードを加速させていると言っていい。ERPしかり、SCMしかりだ。しかし、エロイ氏は、「それにひきかえ、ソフトウェア開発のプロセスは?」と疑問を投げ掛ける。
彼は調査会社のデータを引用し、ソフトウェア開発プロジェクトの30%が完了せず、54%が予算オーバーとなり、66%が失敗の烙印を押されているとする。しかも90%は期限に間に合っていないのが実態だ。エロイ氏は、「ビジネス部門とIT部門のギャップ」「IT部門内の役割ごとのギャップ」、そして「プラットフォームの複雑さ」が背景にあるとみる。
「統合されたツールによってビジネス部門、開発部門、そして運用管理部門をつなぎ、単一の意思決定によって運営される組織に変えるSDOこそが、Borlandの答えだ」とエロイ氏。
2005年前半にThemis版登場
2005年前半には、エンタープライズアプリケーションのSCMに該当するチーム開発の基盤、「Project Themis」(テミス)が早くもSDOビジョンの成果として登場する。この段階では、ビジネスアナリスト、アーキテクト、デベロッパー、およびテスターという開発部門内の4つの役割に的を絞り、Borland ALMソリューションに磨きをかける。
12カ月から18カ月後のレンジでは、プロジェクトマネジャーやITディレクター、あるいは運用管理者らも巻き込むプロジェクトやプロセスの管理機能がポータルを介して提供される。予測性や可視性を高めるもので、「Project Hyperion」と呼ばれる。さらにはCIOやCIOといった経営幹部らがリソースやスキルを計画したり、プロジェクトのポートフォリオを管理する「Project Prometheus」も控えている。
Project Themis、Project Hyperion、Project Prometheusは、順に積み上げていくレイヤー構造のソリューションだが、Themis版でProject Hyperionの意思決定支援機能やProject Prometheusのリスク管理機能といった上位レイヤーの機能も一部先行リリースされるという。
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