アクセスインフラ市場を切り開くCitrix、テンプルトンCEOは競合との戦いにも勝算あり(2/2 ページ)
本格開幕した「Citrix iForum 2004」で、テンプルトンCEOは、同社が提供するアクセスインフラのコアとなる8つの機能について概略を説明し、今後、開発や買収によって追加される製品やサービスは、これに沿ったものになるとした。
また、これと関連して、End-to-End Visibilityには、セッションを記録する機能も含まれ、サーベンス・オクスレー法(いわゆる企業改革法)の遵守も助けてくれるという。
テンプルトン氏は、今後同社がMetaFrame Access Suiteこれらの8つの機能に沿って革新を継続していくとし、「われわれを新しい目で見てほしい」と訴えた。
勝負はアプリケーション層で
ただ、この日テンプルトン氏が概略を説明した8つのコアとなる機能は、セキュリティやネットワーキング、あるいはマネジメントといった領域も含まれている。それは、既存ベンダーとのタフな競合が始まることを意味し、Citrixの力量を疑問視する声もある。
しかし、日本人プレスとの共同インタビューに応じた彼は、「確かに“アクセスインフラストラクチャ”は、セキュリティ、ネットワーキング、およびマネジメントの各領域と少しずつオーバーラップするが、Citrixだけがユニークなバーチャルプレゼンテーション機能と統合して提供できる」と自信を見せる。
セキュリティやネットワーキングのベンダーが、コンピュータの通信機能を階層構造化したOSI参照モデルでいえば、1〜5までの下層を得意としているのに対して、Citrixはその上位のアプリケーション層に強みを持つ。
「Citrixのバリューは、アプリケーション層のアクセス技術を統合化されたシステムとして提供していくこと。われわれは得意なフィールドで戦う」(テンプルトン氏)
そもそも彼には、新しい「アクセスインフラストラクチャ」という、2007年には216億ドルに成長する新しい市場を切り開いた自負がある。
「業界の多くのプレーヤーは笑い飛ばしたかもしれないが、われわれはこの市場にフォーカスすることを選んだ」とテンプルトン氏。
「アクセスインフラストラクチャ」それ自体がまだまだ業界に浸透していない段階だが、彼は8つの中核機能を概略することで、市場の拡大という次の世代に入れることを期待する。
アプリケーションのアーキテクチャは時代とともに変わる。ホストの次はクライアント/サーバ型が“聖杯”のように思われたが、Webが登場した。そして今はWebサービスに期待が掛けられている。
「われわれのアクセスインフラは、アプリのアーキテクチャにスマートなアクセス層を新たに追加することで、時間を越えて相互の独立性を確約するもの。例えて言えば、舞台で場面転換があっても衣装を替えているところが見えないのと同じだ」(テンプルトン氏)
関連記事
- よりスマートに ── Citrix幹部がアクセス戦略の将来を示す
- IBMとCitrixが「On-Demand」実現に向け提携強化
- Citrix iForum 2004開幕、ハリケーンにも負けない「アクセス」の戦略的なパワー
- Citrixが次期版MetaFrameにCPUとメモリの最適化技術を盛り込む
- Wyseが「Winterm」シンクライアントの次世代デザインを披露
- 日本ベリサインとシトリックス、MetaFrameのユーザー認証サービスで提携
- 「モバイルを企業の競争力にできていない」、MEA Japanの仕掛け人・田中シトリックス社長
- MEA Japan、各社共同でモバイルソリューションセミナーを開催
- 情報漏えい対策として攻めるMetaFrame
- 初めからクライアントに情報を持たせない――MetaFrameの情報漏洩対策
- 情報漏えい対策で悩む中堅・中小企業の福音か? 大塚商会など9社連合
- 三菱電機、MetaFrameへのログインを強化する「SBC ICカード認証システム」発表
- 東芝ソリューション、日本IBM、シトリックスの3社、自律型サーバベース・コンピューティングで協業
- 新たなアクセス戦略を具現化するシトリックス、MetaFrameのスイート製品を発表
- シトリックス、企業情報ポータルビジネスの拡大に向けて富士通との協力関係を強化
- アクセスの複雑さを取り除くシトリックス
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.