10g R2でアプリや情報までグリッドを拡大するOracle:Oracle OpenWorld 2004(2/2 ページ)
Oracle OpenWorld 2004は3日目を迎え、サーバテクノロジーを統括するロズワット執行副社長が登場し、「10g R2によって、すべてのITリソースまでグリッドを拡大する」と話した。
情報のグリッド化
ロズワット氏は、情報のグリッド化も多くの技術や製品が既に利用可能だったり、Release 2ファミリーで登場すると話した。
情報の収集、仮想化、格納という領域では、RFID Server、Content Manager、Data Profilingといった各種技術や製品があり、情報のアクセス、分析、コラボレーションでは、XML Query(XQuery)、Enterprise Search 10g、Instant Portal、Business Intelligence 10g、Instant Messenger、VoIPがある。
Oracleでは、こうした新しい技術や製品を10gブランドの傘の下に統合し、企業にとって最も価値があり、ビジネスを駆動するパワーを秘めた情報のグリッド化(仮想化とプロビジョニング)を進めていく考えだ。
この日発表されたOracle Collaboration Suite 10gとそのコンポーネントの1つであるOracle Files 10gは、グリッド化を情報にまで拡大するための核となる製品だ。
非構造化データも統合
ステージでは、「学生向けローン」の情報をEnterprise Search 10gで検索したところ、偶然だが苦情の電子メールが大量に舞い込んでいることが分ったというシーンが再現された。Oracle Filesは、情報の大半を占めるドキュメントや電子メールなども含め、多様なデータをOracle Databaseに格納することで、通常であれば埋もれてしまう大切な情報を探し出すことができる。もちろん、ログインが前提となるので、権限のないドキュメントにアクセスすることはできない。
電子メールの内容を調べると、手続きに2カ月もかかることが不満の原因だということが分った。契約書を確かめたが、最新版ではそう明記されている。契約書の最初のバージョンではもっと短かったのに、財務部門のある担当者が変更したことまで追跡できた。
苦情はもっともなので、さっそく最初のバージョンに戻し、さらに財務部門の担当者が変更できないよう制限を加えた。この間、インスタントメッセンジャーやアプリケーション共有ソフトウェア、あるいは音声統合の機能も組み合わせ、迅速に作業は進んだ。
午後のキーノートでは、ラリー・エリソンCEOは、Oracle Collaboration Suiteの基盤が、オープンなJ2EEサーバやデータベースであることを大きな差別化のポイントとして指摘した。
「IBMやMicrosoftの製品は一枚岩のものばかり。Collaboration Suiteなら(SOAをベースに)CRMやカスタマーサービスのシステムとも連携できる」(エリソン氏)
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