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グーグルが本格参戦、SaaS市場が一大激戦区に(3/3 ページ)
SaaS市場での主導権を握ろうと、新興ソフトベンダーに、マイクロソフト、オラクル、SAPといった巨大ソフトベンダーが対抗し、さらにはグーグルが本格参入。一大激戦区になりつつある市場の行方は?
ただし、従来パッケージソフトを提供してきたベンダーにとっては、SaaSによる事業展開は、自らの首をも絞めかねない“両刃の剣”でもある。パッケージソフトベンダーからは「SaaSを展開しても従来のライセンスビジネスがなくなるわけではなく、ソフト全体の売り上げが減るとは思っていない。SaaSの展開はお客様への選択肢を増やすのが狙い」との声も聞かれるが、果たしてどうなるか……。
さらに今後は、SaaS市場での主導権を握ろうと、巨大資本が新興ベンダーを取り込むといったダイナミックな動きもありえる。業界関係者が小声でこう話した。「例えばグーグルがセールスフォース・ドットコムを取り込んだりしたら、市場の勢力図は大きく変わる」。もちろん想像の域を出ない話だが、この2社の今後の動きが注目の的であることは確かだ。
(※セールスフォース・ドットコムとグーグルは6月5日、グーグルの検索キーワード広告「AdWords」の販売における戦略提携を発表した。)
(「月刊アイティセレクト」2007年7月号のトレンドフォーカス「急成長のSaaS市場、大手参入で一大激戦区に」より)
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