「ネットレジ」と「売上集計管理サービス」の連動で販売・仕入分析につなげる:POSターミナル同様のオンライン集計をレジで実現
全国に「青山フラワーマーケット」など約70店舗を展開する株式会社パーク・コーポレーションでは、カシオの「ネットレジ」と、それを活用したCXDネクストの売上集計管理サービスおよび電子決済サービスを導入し、POSターミナルでなければ実現できないと考えられていた売上高のオンライン集計が低コストで可能になり、またクレジット決済時に2度打ちが不要になるなど、業務の効率化が実現した。
従来は商品数やサービスの多彩さにより、レジを含めた販売管理全般に課題があった
首都圏を中心に、北は札幌から南は福岡まで、全国各地に「青山フラワーマーケット」など約70店舗のフラワーショップチェーンを展開する、パーク・コーポレーション。主に「普段使いの花」を販売しており、店舗ブログを通じて花に関する季節の話題や、季節ごとに移り変わる花のシーズンを紹介するなど、花好きの顧客に対して広く情報を提供しているのが特徴だ。
その店舗は、百貨店や駅構内の店舗(テナント)として、あるいは独立店舗(路面店)として順調に増え続けており、2007年には17もの新店舗をオープンするなど、急成長を続けている。
生花業界では、各商品のシーズンが限られ、人気の移り変わりも激しく、また新種も頻繁に登場するなど、非常に品数の多く商品管理の難しい業種だ。しかも、生花店では切り花を販売するだけでなく、アレンジメントなどのサービスも行っているため、その詳細まで踏み込んだ販売管理は非常に難しい。青山フラワーマーケットも、その例に漏れず、レジを含めた販売管理全般に関して、以前から課題を感じていたという。
「当社では、販売管理システムは独自のものを使っていますが、POSと連動した売上管理はなかなかできていませんでした。生花の特性上単品管理が難しいこともあり、おおまかな商品分類での管理に留まり、時間帯ごとの集計も行っていませんでした」と、青山フラワーマーケットを経営する株式会社パーク・コーポレーションの取締役CFO、冨永悟司氏は言う。
百貨店内など一部店舗を除き、これまではスタンドアロンのレジを使用しており、閉店後の夜中にレジで売り上げを集計。各店舗に設置されている販売管理システムの端末に、集計結果を手入力をする必要があった。本部が全体の動向を把握するまでには、かなりの手間と時間を要したのである。もちろん、集計された売上高と、実際に各店舗から入金された売上高の突き合わせも、経理担当者にとって面倒なものだった。
POSターミナルを使えば、商品の細かな分類も可能になるし、各店舗の端末をオンラインで本部と結んで売上高をリアルタイムに把握することも可能になる。課題は、ほぼ解決することだろう。しかし、POSターミナルの導入コストは非常に高い。
「システムを含めると、1台あたり100万円から、という見積もりになってしまいます。投資対効果を考えると、なかなか導入できるものではありません」(冨永氏)
結局、青山フラワーマーケットでは、安価で機能の制限されたスタンドアロンのレジを使い続けてきたのである。
画期的なネットレジとASPサービスにより店舗も本部も負担を軽減
そこに登場したのが、カシオ計算機が新たに発売した「ネットレジ」だ。カシオとNTTドコモが合弁で設立したCXDネクストでは、ネットレジを活用したASP方式の「売上集計管理サービス」などの店舗支援サービス、およびクレジットの電子決済サービスを提供している。
青山フラワーマーケットでは、このサービスに目をつけた。ネットレジとCXDネクストの「売上集計管理サービス」を使えば、売上高を本部でリアルタイムに把握することができるようになる。また、青山フラワーマーケットではクレジット決済の顧客も多いが、ネットレジに電子決済端末「KT-10」を接続すれば、小さな設置スペースで済む上に、クレジット決済と同時に売上高の登録が行われるため、店員の負担も軽減される。
「従来のレジと同じくらいの単価でありながらネット接続をはじめ多彩な機能を備え、しかも店舗スタッフに対する操作説明などのアフターサービスもあるなど、他社とは一線を画す充実ぶりだと思います。駅の中など、非常に限られたスペースの店舗もありますから、省スペース性も非常に重要なポイントです」と冨永氏は言う。
「実はこれまで、各店舗で異なるメーカーのレジを導入していたのを、全国サービスが期待できるカシオのレジへと、2〜3年前から少しずつ切り替えを進めているところでした。ネットレジが登場した頃、当社ではクレジット決済端末の入れ替え時期が迫ってきていたため、今度はネットレジの導入を進めることにしたというわけです」
ネットレジは、まず南青山本店や札幌すすきの店など数店舗で先行導入された。導入店舗のスタッフには、省スペース性のみならず、操作性やデザインも高く評価されているほか、オプションで用意されている専用の防水カバーも「水濡れにも安心」と好評のようだ。生花を扱うだけに、水濡れ対策は不可欠なのである。
クレジット処理に関しては、クレジット端末とレジとの2度打ちが不要になり、処理時間の短縮やヒューマンエラー防止に効果があるという評価が出ている。また、ある店舗スタッフは、「今後は売上集計管理サービスの活用により、本社への報告作業も楽になる予定なので、その点も期待しています」と、CXDネクストのサービスによる店舗の負担軽減について語っている。
「店長にとっても、安心して店舗を運営していくためにはデータを見たいはず。面倒なデータ入力をすることなく、普段の仕事の中で可能になるというのは、大きなメリットになるでしょう。全館統一のPOSターミナルを使っている一部の百貨店内店舗では、百貨店側の集計システムを通じてデータを得られますが、それと同様のデータを自社で得られるようになりました。売上集計管理サービスを使うにはサービスの利用料金が必要ですが、自社開発とは、比べものにならないぐらい安いと言えるでしょうね」(冨永氏)と、本部としても売上集計管理サービスが大いに役立つことが確認されている。店長や本部の経理担当者にとって、日々の業務を楽にしてくれることは間違いないだろう。
全店舗に導入して売上分析を行い商品管理の裏付けデータとしても用いたい
今後、青山フラワーマーケットでは、まず路面店を中心にネットレジの展開を進めていく方針だという。それと同時に、システムのさらなる活用も進めていこうとしている。
「各サービスがASP方式なので、敷居が低く試しやすいのも良いですね。ブロードバンド回線さえ用意すれば、スタンドアロンのレジから簡単に入れ替えられます」と冨永氏は言う。
青山フラワーマーケットにとって、レジのネットワーク化は、「やりたいが、半ば諦めていた」部分だ。それが予想よりずっと安価で可能になったことで、冨永氏の考えは広がるようになった。
「ネットレジには、すごくたくさんの可能性があると思います。まだまだ生かしきれていませんが、例えば全店をこのレジで統一して、全部のデータを収集し、これまで以上の分析ができるようにしたいですね。また、今まで全く不可能だった時間帯ごとの集計なども行いたい。店舗スタッフのシフトなどにも、時間帯別データが参考になるはずですし」(冨永氏)
現場に負担をかけずに詳細なデータの収集や分析が可能になる。思い切って商品分類を細分化して管理していこうという考えも出てきた。現状ではストロークキーモデルを用いているが、きめ細かな分類管理が行えるタッチキーモデルを採用したり、あるいはバーコードリーダーを活用したりして、より詳細なデータ集計を行うことも視野に入れているという。
さらに、収集されたデータのさらなる活用も、冨永氏の視野に入っている。
「生花というのは1週間と在庫できないような商品ばかりなので、どれだけロスを減らせるかが勝負どころとなります。店舗スタッフへの教育をしっかりやってきて、我々のロス率の低さは強みとなってきています。さらに、そこへデータの裏付けができれば、より一層の強みとすることもできるでしょう。将来的には、売上集計管理サービスのデータを社内の既存システムと連携させていければ、なお一層のデータ活用が可能になるはずです。これからは、それをどうやって実現していくかを考えていかねばなりませんね」(冨永氏)
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企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2007年12月17日
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