NECが組織刷新 重複部門をスリム化、営業窓口は一本に:クラウドを見据えた事業部門も開設
NECは4月1日付で組織を再編する。事業部門の統廃合で収益力の改善を図るほか、営業窓口の一本化で経営のスリム化を図る。クラウドコンピューティング関連のサービスを手掛ける部門も新設する。
NECは2月25日、業務プロセスの改善や営業力の強化を目指し、4月1日付けで経営体制を刷新すると発表した。同社の事業部門である「ビジネスユニット」の統廃合や営業窓口の一本化などを行い、固定費の削減や収益力の向上につなげる。
営業力の強化を目指し、事業部ごとの営業機能を統合した「営業ビジネスユニット」を新たに設立。3300人規模で構成し、NECのすべての製品・サービスを単一の窓口で販売する。全社の海外営業機能を強化した「海外営業ビジネスユニット」も新設する。海外で製品を販売する法人と事業部門をつなぐ役割を担い、グローバル事業の成長につなげる。
クラウドコンピューティングに対応したサービス事業の拡大を目指し、全社のコンサルティングやシステムインテグレーション事業、運用、保守、アウトソーシング部門を集めた「ITサービスビジネスユニット」も新設する。関係会社と連携した3万人規模の体制を構築する。
ビジネスユニットのてこ入れにより、現在9つのビジネスユニットは7つになる。各ビジネスユニットを構成する200超の各事業部を2割程度減らし、重複している部分の統合を進める。固定費の削減などを狙う。
新たなビジネスユニットの名称は、「営業ビジネスユニット」「海外営業ビジネスユニット」「ITサービスビジネスユニット」「ITプラットフォームビジネスユニット 」「キャリアネットワークビジネスユニット」「社会インフラソリューションビジネスユニット」「パーソナルソリューションビジネスユニット」。
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