日本HPとNTTコム、社内システムのIDでSalesforce CRMが使えるSSOサービス:Force.comからも利用可能に
企業内の情報システムにログインすると「Salesforce CRM」も使えるようになるシングルサインオンサービスを日本HPとNTTコミュニケーションズが共同で提供する。
日本HPとNTTコミュニケーションズは、1度の認証で、異なるシステムやアプリケーションにアクセスできるシングルサインオン(SSO)のサービスを共同で提供すると発表した。企業内で使う業務アプリケーションにアクセスするIDやパスワードを使って、セールスフォース・ドットコムのCRM(顧客関係管理)アプリケーション「Salesforce CRM」にアクセスできるようになった。
同サービスは、日本HPのSSOサービス「HP IceWall SSO」やNTTコミュニケーションズのSaaS(サービスとしてのソフトウェア)型Web認証サービス「セキュアコネクト」を使って、Salesforce CRMにアクセスできるようにしたもの。企業内のシステムや業務アプリケーションにログインするIDやパスワードをSalesforce CRMでも使えるようにした。
企業内のアプリケーションに適用している統一ポリシーでSalesforce CRMを管理できるようになるため、IDやパスワードの管理負担を減らせる。個人のログ取得や同時接続数の制限管理といった機能も使えるほか、電子証明書やICカードを活用した認証システムも構築しやすくなる。
今回の発表により、Salesforce CRMとのシングルサインオン連携の機能をHP IceWall SSO、セキュアコネクトに追加し、それぞれのサービス名で提供できるようになった。
ネットワーク経由でソフトウェアの機能を使う社外のSaaSを利用する場合、IDやパスワードを企業内の情報システムとは別に設定する必要がある。社外のSaaSサービスの場合、シングルサインオンの機能を実装できず、統一のポリシーでIDやパスワードを管理できない問題があった。
2009年3月には、セールスフォース・ドットコムがWeb上で運営するアプリケーションマーケットプレイスのForce.com AppExchangeにHP IceWall SSOが登録される予定という。
関連記事
- VPN経由でSalesforceが利用可能に、NGNでのサービスも視野
VPNを経由してSalesforceが利用できるサービスを、セールスフォースとNTT Comが7月1日に提供する。 - MIJSとNTTコム、SaaSビジネス展開の技術を共同検証
企業が提供するアプリケーションをセキュアで使いやすいSaaSとして提供するための共同検証を、MIJSとNTTコミュニケーションズが実施する。 - NTT Com、NTTデータ、NTTがSaaS事業者向けサービス基盤を開発
企業のネットワークやNGNと接続し、シングルサインオンや決済の回収代行など、SaaS事業者が活用するサービスを提供する基盤について、3社が共同で開発する。 - 「Googleで変えたい」と富士ソフトの堀田副社長
富士ソフトが「Google Apps Premier Edition」の本格販売に踏み切った。SaaS市場の拡大を睨むとともに、大半が技術者という同社を変革するには、クラウドコンピューティングの未来に確固たる信念を持つGoogleの力が必要だという。 - ソフト会社のSaaS展開を楽にしたい――マイクロソフトが支援プログラム始動
マイクロソフトは、ソフトウェアベンダーのSaaS事業化を支援する「SaaSインキュベーションセンタープログラム」を発表した。KDDIや富士通など4社がパートナーとなる。 - 対「黒船ソフト」で日の丸ベンダーが企む逆襲計画の本気度:トップクラスが集結して日本ブランドの確立を目指す
国産ソフトウェアの海外展開は、過去にも何度かあった。ただ、今進められている、ベンチャー企業などの連合体による挑戦は、従来とはいささか異なるスキームを持つ――。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.