東京東信用金庫、SAPの経営管理システムを導入:信用金庫で初
東京東信用金庫は経営管理システムをSAP NetWeaver Business Warehouseで構築し、4月1日より本格稼働を開始した。
経営判断のスピードアップ図る
東京23区、千葉県、埼玉県内に68店舗12出張所をもつ東京東信用金庫(以下、ひがしん)は、信用金庫で初めて、SAP NetWeaver Business Warehouse(以下、SAP NetWeaver BW)を導入し、経営管理システムを構築した。
これまでひがしんは、融資や預金の状況を自社で開発、構築したシステムで管理していたが、サブプライムローン問題が表面化した2008年当初から、、より迅速な経営判断をするために、データの収集から、加工、分析、レポート作成に要する時間を短期間化および経営情報を体系的に一元管理する新システムの構築が急務、と判断した。そこで、SAPの「SAP ERP」と包括的なレポート・分析のツールセット、計画・シミュレーション機能、データウェアハウス機能を統合したビジネスインテリジェンス・プラットフォームであるSAP NetWeaver BWの導入を決定した。導入にあたっては、ひがしんを含め金融機関のシステム開発や勘定システムなどの導入や保守などを手がける、ひがしんのグループ会社、システムバンクが2008年9月よりシステム構築を開始していた。
新システムでは、点在している融資、預金、ALM(資産・負債の総合管理)、決算に関するデータをSAP NetWeaver BWで体系的に一元管理、経営者向けのマネージメント・ダッシュボードを構築し、これまで2週間を費やしていた経営情報管理のデータ収集、加工、分析、レポーティングがリアルタイムで行えるようになる。これにより、金庫全体のKPI管理からエリア別、支店別、商品別や、最終的には取引までの分析を行い、定期的に行われるALM委員会でも、最新の分析レポートを参照できるなど、迅速で的確な経営判断が可能になる。
またこれまでのシステムでは過去3カ月の情報蓄積にとどまっていたが、5年間分のデータ蓄積が可能となり、月ごとのレポートだけではなく時系列で経営および市場の傾向について、リアルタイムで分析できるようになった。ひがしんでは、今後、SAP NetWeaver BWの導入によって、融資や預金などの詳細な分析だけではなく、有価証券の分析にも広げ、さらなる業務効率化およびサービス向上を目指すという。
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