国民生活基盤としての日本版クラウドコンピューティング:2015年に最大100兆円の新市場(3/3 ページ)
海外勢がリードするクラウドコンピューティングのサービス提供だが、日本も総務省をはじめ国がクラウドによる産業基盤活性化に向け本格的に動き出している。
三大重点分野とデジタル基盤
IT戦略本部は2009年3月24日「IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会(第4回)において、デジタル新時代に向けた新たな戦略〜三か年緊急プラン部分〜(案)」を公表している。この三か年緊急プラン部分を基に、政府は2009年6月に新たな中長期戦略を策定する予定だ。また、2009年4月9日の「IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会(第5回)」では、三か年緊急プランと連携した「中長期戦略の検討におけるポイント」として、(1)三大重点分野:電子政府・電子自治体、医療、教育・人財、(2)産業・地域の活性化及び新産業の育成、(3)デジタル基盤の整備などの方向性が示されている。
三カ年緊急プランの中では、電子自治体推進における共同利用型クラウドや、国民電子私書箱構想においてクラウド技術などを活用した国や地方における共同利用基盤の整備、クラウド技術を活用した遠隔教育システムの開発等が盛り込まれている。
<2009.3.24>
クラウドコンピューティングの普及は、民間企業を中心に普及が進んでいる。今後は、電子政府や電子自治体、そして医療や教育等の国民向けのサービス基盤として、クラウドコンピューティングが注目されていく可能性があるだろう。
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著者プロフィール:林雅之 ICT企業勤務
顧客へのICTコンサルティング、情報通信政策の調査・分析、SaaSビジネス推進、プロジェクト総括、ナレッジマネジメント推進などにたずさわる。著書『「クラウド・ビジネス」入門 -世界を変える情報革命』
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