HOYAグループ、新CRM「メガ顧客」を稼働:メガネ業界初
HOYAグループは富士通のデータセンターを利用したSaaS型の顧客関係管理システムを構築し、店舗で稼働を開始した。
HOYAグループのシステム開発会社であるHOYAサービスは、新たな顧客関係管理(CRM)システムを構築し、同グループのメガネ店に提供を開始した。システムの構築には富士通のデータセンターを活用している。富士通が5月8日に発表した。
新顧客関係管理システムの名称は「メガ顧客」という。SaaS型(サービスとしてのソフトウェア)のシステムで、顧客情報の管理や分析、購買履歴の管理、メールマガジンの配信などができる。顧客情報を管理する機能をWebブラウザ経由で追加できるほか、顧客情報の項目を自由に設定したり、複数の店舗をまたがる情報を管理したりできるという。
同システムの構築には、富士通が提供するサービス基盤「SaaSプラットフォーム」を活用。富士通が運営するデータセンターにシステムを構築し、各種機能をSaaSとして利用できる。OSのバージョンアップやハードウェアの障害対応といった情報システムの運用・保守を富士通に委託できるため、システムに掛かる総コストを削減できる。同サービス基盤を使うことで、富士通がパートナー契約を結ぶ企業のSaaSアプリケーションとシステムを連携するといった使い方も可能になる。
HOYAサービスは1980年にメガネ店向けに顧客管理システムを開発し、現在約2500店が利用している。パッケージソフトを使った自社運用型のシステムだったため、バージョンアップによるソフトウェアの保守にかかる工数や、運用のコストが課題になっていた。SaaSの仕組みを使ったシステムを構築することで、これらの課題を解決できるという。
メガネ業界におけるSaaS型の顧客関係管理システムの導入は初となる。今後は、各メガネ店に同システムの使い方の提案やシステム運用の支援をしていく。発注処理などのシステムとの連携も進め、チェーン店や他業種、世界拠点にも展開する見通しだ。
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