クラウドはサービスよりSIが中心になる
また今回の発表では筋肉質な収益構造への転換を目指すとし、事業部門の重複の回避、出張など経費の徹底した見直し、製品開発での外注費削減、役員・管理職の報酬カット、そして人員削減などに取り組むという。「聖域はない」と話す矢野社長は「細かいことはいえないが、あらゆる項目を洗い出し、漏れのないようにリストを常にチェックしている」とその徹底振りをアピールした。
IT/ネットワークソリューション分野では、先ごろ発表された「クラウド指向サービスプラットフォームソリューション」について言及、今後3年程度で売上高1000億円、クラウド事業を中心とした各種サービス事業全体で売上高5000億円を目指すとし、将来の収益の大きな柱となる重要分野であることを示した。
この事業で5000億円の売上目標を立てることに懐疑的な質問も出たが、矢野社長は「クラウドを自ら作る企業のお手伝い、つまりサービスよりSIが中心になるだろう。自らのデータはしっかりと保持して、自前でクラウドを構築したいという大手企業のニーズは高い」と将来性について語った。またIT分野では、セキュリティや会計制度の変更に伴うシステム変更なども大きなビジネスチャンスだとした。
また「不採算事業の撲滅」とともに矢野社長の口から何度も出てきたフレーズが「M&A」。米国のソフト会社ネットクラッカーの買収、光海底ケーブルメーカーOCC社の経営権取得などの実績を上げ、今後も積極的にM&Aを進めていくとした。今回の発表では資本準備金、利益準備金の減少についても告知されたが、矢野社長は「活動に必要な資金は十分にあり、すぐに新たな資金調達について考えることはない。ただし黒字を生み出し、その資金で新しい事業分野を開拓して成長していくという健全な姿でいなくては、何もうまく進まない。全社一丸となって早い回復を目指す」と語った。
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