ソフトバンクで身につけた仕事術は生きる〜Part2:いつまでも「プレイングマネジャー」(2/2 ページ)
ソフトバンクの社員は、自発的でかつ、いつも走りながら考えている人が多いです。逆に、マネジャーに徹して判断と指示だけをしている人は少ない。
ソフトバンクは、2001年6月20日にYahoo!BBの募集を開始しました。その後すぐにADSLサービスを行っていた、東京めたりっく、名古屋めたりっく、大阪めたりっくを、BBテクノロジー(現:ソフトバンクBB)に統合しました。2004年には日本テレコム(現:ソフトバンクテレコム)を買収し、2006年にはボーダフォン(現:ソフトバンクモバイル)をグループ傘下に収めました。
こうして、わずか数年の間に社員数は一気に増えました。職種も、いままでのような営業職、技術職、そして管理部門職だけではなく、工事関係の仕事があり、コンシューマー向けサービスをする部門ができ、官庁対応を行う人材を採用し、といった具合で部門も、職種も一気に拡大しました。
2004年には、外部から派遣されていた人物による情報漏えいといった問題も生じました。これだけ増えてくると、帰属意識や仕事に対する取り組み、姿勢といったものも多様化してきます。旧来からソフトバンクにいる人間としては、違和感を持つところでもあるわけです。
特に、2005年に日本橋箱崎町から現在の汐留の新築のビルに移転し、社員食堂まであるオフィスになってから、社員の色は大きく変わりました。大企業に勤めている気分になっている人が増え、外部の取引先に対して横柄な態度をとる若い社員まで出てきました。
わたしが考えるソフトバンクは、いつまでもベンチャースピリッツを忘れない企業であり、良い意味で子供のような天真爛漫さを持ち、どこまでも自発的に取り組む人たちで溢れかえっている会社です。
ソフトバンクにそういうメンバーが多く育っていることに期待したいと思っています。
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著者プロフィール:大木豊成(おおき とよしげ)
Xarts株式会社常務取締役。株式会社IWNC シニアコンサルタント。米国PMI認定ProjectManagementProfessional取得。シンガポール大学卒業後、数々の事業立ち上げおよび企業立ち上げを経験。ソフトバンク在籍中の経験を「ソフトバンク流『超』速断の仕事術」(ダイヤモンド社)にまとめて出版した。現在は上記企業の他、学校での講師、講演などで奔走する。
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