ソフトバンクで身につけた仕事術は生きる〜Part3:「担当範囲外です」は協力会社だけで十分(3/3 ページ)
「そんな状態では無理ですよ」会社の未来を担う社員が、こんな心細いことを言っているわけにはいかない。どうすればいいのかを必死で考えることになります。
時間を使いこなす
IT業界には、開発工数を算出するために、人月、人日計算をする会社が多いと思います。このこと自体は、特に問題ないと思います。見積もる場合は別ですが。
しかし、納期が短い開発の場合、人日計算では危うい場合があります。それは、人日の算出が人によってまちまちだからです。ある人は6時間程度、ある人は8時間、別の人は12時間くらいを見込んでいる場合があります。また、もっと大ざっぱに計算している人もいます。
ですから、工数は時間単位で算出する必要があります。何人日ではなく、何人時間(h)です。h単位で計算することで、ブレが少なくなります。これは開発だけではありません。経理でも、総務でも、どんな業務にでも適応できる考え方です。
また、工数を計算するときはh単位ですが、使うときはさらに細分化します。最長でも30分単位、出来れば15分単位がベストです。15分がいくつ、という計算をしていくと、いろいろとすき間時間ができてきます。このすき間を有効活用することで、一日の使い方が変わってきますし、また余裕も出てきます。
「あなたは今、15分あったら何をしますか?」
「15分くらいでは何もできない」と思われた方は、もう一度時間の使い方を考え直してみる価値があると思います。
わたしは15分あれば、この本を読もうと考えて持ち歩いている本があります。事実、15分の積み重ねで2日もあれば新書1冊くらいは読めます。こういう時間の使い方が、仕事にも、プライベートにも役立つのだと思います。
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著者プロフィール:大木豊成(おおき とよしげ)
Xarts株式会社常務取締役。株式会社IWNC シニアコンサルタント。米国PMI認定ProjectManagementProfessional取得。シンガポール大学卒業後、数々の事業立ち上げおよび企業立ち上げを経験。ソフトバンク在籍中の経験を「ソフトバンク流『超』速断の仕事術」(ダイヤモンド社)にまとめて出版した。現在は上記企業の他、学校での講師、講演などで奔走する。
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