ソフトバンクで身につけた仕事術は生きる〜Part4:本を書くということ(2/2 ページ)
執筆の時間を確保するため、生活リズムを見直しました。朝5時半に起床は変わらないのですが、起きたらまず書くことを頭の中で整理します。
読者層を再設定する
三十歳以上と設定した読者層ですが、編集担当の方と話をしている中で、もう少し若い人向けに書けないかという話になりました。そのほうが本の売れ行きに効果があるということもあるのですが、わたしが二十代であったころよりも時代の変化が速いため、若い人たちがこういう本を欲しているという背景がありました。
そうなると、ずいぶん書く内容が変わってきます。考えた結果「はじめに」を含むいくつかのパートに手を入れることにしました。まず、自分の周りにいる28歳の人と話す時間を持ち、彼が仕事に対して、何をどのようにとらえているか、を聞き出すところから始めました。
「最近の若いもんが考えていることは分からん」
わたしも、この本を書き始めた時点で48歳。わたしにも分からない。しかし、分からないからといっていてもしょうがないわけですから、とにかく理解しようと努めました。その結果、どこにポイントを絞るかが分かってきたのです。そのポイントに絞り込んで、書き始めました。
ストレッチしながら書く
これはわたしが勝手に呼んでいる方法です。身体のストレッチではなく、ゴムボールを内側から広げるようなイメージです。一度書いた文章に、いろいろと手を加えていき、必要な文章に仕上げていく。これがストレッチです。
わたしは文章を書くプロフェッショナルではないので、最初からスラスラと書けるわけではありません。また、頭の中で整理してから書くというのも難しい。忘れてしまうこともあるからです。そのため、思い付いたらどんどん書いていき、さらにそこに書き足していく方法で進めることにしたわけです。
このようにして、自分が書きたいこと、伝えたいことを書いて出来上がったのが、「ソフトバンク流『超』速断の仕事術」という本なのです。
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著者プロフィール:大木豊成(おおき とよしげ)
Xarts株式会社常務取締役。株式会社IWNC シニアコンサルタント。米国PMI認定ProjectManagementProfessional取得。シンガポール大学卒業後、数々の事業立ち上げおよび企業立ち上げを経験。ソフトバンク在籍中の経験を「ソフトバンク流『超』速断の仕事術」(ダイヤモンド社)にまとめて出版した。現在は上記企業の他、学校での講師、講演などで奔走する。
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