Twitterを使っているのは誰なのか:企業とTwitterの向き合い方(2/2 ページ)
Twitterの流行に伴い、マーケティングやプロモーションにTwitterを使う企業が出始めている。本連載では4回にわたり、企業のTwitter活用法を取り上げる。まずはTwitterユーザーの実態を明らかにしよう。
使っているのはどんな人?
ユーザーの特徴はどうか。前述のネットレイティングスの調査によると 、国内におけるTwitterユーザーの男女比は58対42で、男性が多い。また、若者より中高年層の割合が高く、35〜49歳のユーザー数は全体の45%、50歳以上は17%を占めた。ここからユーザーの6割超が35歳以上であることが分かる。
年齢層が比較的高い点については、海外で行われたユーザー調査でも指摘されており、Twitterの特徴となっているようだ。その理由として「若者は既に類似のコミュニケーションツールやSNSを活用しているため」「若者は社会人ほど交友範囲を広げる必要がないため」といった推察がなされている。
いずれにしても、10代や20代のユーザーが中心である国内のSNS系サービスとは対象が異なっている。企業がTwitterを柱としたマーケティング戦略を打ち出すには、この違いを踏まえておく必要があるだろう。
職業別、業界別のユーザー構成も考察したいところだが、残念ながら本格的な調査結果が存在しない。ただ、現在のTwitterユーザーはITやネット関連の業界に所属している人の中でも「イノベーター」や「アーリーアダプター」と呼ばれる情報感度の高い人が中心になっているという印象を受ける。
「購買力のある大人」や「情報感度の高い人」に対して情報を発信し、マーケティングに生かしたいと考える企業にとって、Twitterは優れたコミュニケーションチャネルになるといえる。
一般ユーザーのTwitter活用は?
一方で、アーリーアダプター以外のユーザーがTwitterに興味を持つようなできごとも起こっている。政治活動にTwitterを使う政治家「Twitter議員」や、経済評論家の勝間和代さん、シンガーソングライターの広瀬香美さんなどの著名人によるTwitter参加などが、そのきっかけだ。また8月には、テレビ東京系の経済ニュース番組「ワールドビジネスサテライト」でTwitterが取り上げられた。番組を観たことがきっかけでユーザー登録した人が多数現れているという。
海外のサービスでTwitterのユーザーを職業別に分類して表示する「Twellow」を見ると、「飲食関係(現時点で約4万6000人が登録)」「不動産(約3万4000人)」「医療関係(約6万4000人)」のユーザーが多数存在している。またTwitterを介してコミュニティーが作れる「Twicco」には、IT系に加え、芸術やスポーツ、音楽などのコミュニティーが作成されている。今後は日本でも、非IT系のユーザーが広がる可能性は十分にあり得る。
Twitterに次々と人々が集まってきていることは間違いない。だが企業は、発信する情報をTwitter経由で彼らに正しく届けられるのだろうか。次回はTwitterにおける情報伝達の経路について考えたい。
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著者プロフィール:小林啓倫(こばやしあきひと)
日立コンサルティング シニアコンサルタント。1973年2月26日生まれ。東京都出身。筑波大学大学院(地域研究研究科)修了。国内のシステムインテグレーターでERPコンサルタントとしてキャリアを積んだ後、米マサチューセッツ州のBabson Collegeでアントレプレナーシップを学び、MBAを取得。外資系コンサルティング会社、ベンチャー企業を経て、2005年に日立コンサルティングに入社。「シロクマ日報」「POLAR BEAR BLOG」など、複数のブログを執筆するブロガーでもある。Twitterのアカウントは「@akihito」。URLは「http://twitter.com/akihito」
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