Twitterの情報経路、正しく理解できていますか?:企業とTwitterの向き合い方(3/3 ページ)
企業がTwitterでマーケティング活動を行う場合、企業が発信するメッセージを必要としているユーザーに正しく届ける工夫が必要だ。Twitterで情報が伝播するルートを6つに分けて、それぞれの活用法を考えたい。
(5)人気のトピック
「人気のトピック(Trending Topics)」は、Twitter公式サイトのログイン画面およびタイムラインの右側に表示されるコーナーを指す。Twitter上のすべてのメッセージを集計し、一定期間内に出てきた単語をランキング形式で表示する仕組みで、Twitterで人気のトピックを確認できる。
ここに登場する単語をクリックすると、その単語を含むすべてのメッセージが表示される。検索対象はハッシュタグと同じくすべてのメッセージだ。人気のトピックに自社の事業や商品に近い単語がある場合は、その単語を含むメッセージを投稿することで、より多くのユーザーに情報が伝わる可能性が高まる。
ただし、人気のトピックはメッセージが配信された地域や言語ごとに集計されていないため、すべての書き込みが対象になってしまう。そのため取り上げられているテーマの中心はユーザーの母数が多い欧米の話題である。こうした中、人気のトピックの単語を使って無理にメッセージを打ち出すと、スパム行為とも受け止められかねない。現状では国内企業は活用しにくいが、地域やユーザー属性を限定したトピックが表示されるようになれば、マーケティング用途の門戸も広がるだろう。
(6)トレンド分析サービス
Twitterが普及した理由の1つとして、APIの充実が挙げられる。Twitterに関連するツールやサービスを外部の開発者が作り、Twitterの運営側が想定しなかった機能が次々に実装されていったことは記憶に新しい。
外部サービスの1つであり、Twitterのトピックを可視化する「トレンド分析サービス」も、Twitterでは定着し始めている。国内でも独自の集計ロジックを持つ分析サービスが多数生まれている。
メッセージ内の単語を集計し、頻出キーワードを表示する「Buzztter」や、「お気に入り登録」のデータから人気の高いメッセージを新着順で表示する「ふぁぼったー」が人気を博している。最近ではメッセージ内のURLを集計し、人気の高いURLをランキング形式で紹介する「Twib」や、RTされた回数とRTをしたユーザーのフォロワー数から影響の度合いを算出し、注目の発言などを表示する「ReTweeter」などが新顔だ。
これらのサービスは、フォローしている相手以外のメッセージも分析対象となる。集計ロジックを理解した上で、自社のメッセージが上位に表示されるような施策を講じることも可能だ。
ただし、行き過ぎた施策は「情報操作」と受け取られる場合もある。許容範囲を常に意識したメッセージを心掛け、特定のユーザーに報酬を与えてRTやお気に入り登録を促すのは、間違っても行わないようにしたい。
Twitter上で企業がユーザーにメッセージを伝える経路は、大きく分けてこの6つだ。担当者は、ユーザーの動向を常に注視しながら、メッセージの伝達方法を試行錯誤していくことが求められる。次回は企業がTwitterを活用している事例を取り上げ、Twitterをマーケティングに使う際の注意点について考えてみたい。
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著者プロフィール:小林啓倫(こばやしあきひと)
日立コンサルティング シニアコンサルタント。1973年2月26日生まれ。東京都出身。筑波大学大学院(地域研究研究科)修了。国内のシステムインテグレーターでERPコンサルタントとしてキャリアを積んだ後、米マサチューセッツ州のBabson Collegeでアントレプレナーシップを学び、MBAを取得。外資系コンサルティング会社、ベンチャー企業を経て、2005年に日立コンサルティングに入社。「シロクマ日報」「POLAR BEAR BLOG」など、複数のブログを執筆するブロガーでもある。Twitterのアカウントは「@akihito」。URLは「http://twitter.com/akihito」
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