NEC、クラウド事業を支える新構想を発表
NECは、省電力や柔軟性の要素を取り入れたクラウド型サービスの強化を掲げ、新たな構想「REAL IT PLATFORM Generation2」を発表した。
NECは10月8日、クラウドコンピューティングの技術を取り入れたデータセンターの運用を強化し、関連するサービスや製品を提供していく新構想「REAL IT PLATFORM Generation2」を発表した。この構想を基に開発したシステム性能分析ソフトの提供も同日に開始した。
NECがREAL IT PLATFORM Generation2で強化する分野は、(1)高効率インフラ、(2)サービス実行基盤、(3)システムサービス管理――の3つ。電力効率や設置効率が高いサーバやストレージなどを同社のデータセンターに整備し、IT基盤をサービスとして提供していく。企業が使う既存の業務アプリケーションをクラウド環境に移行するといったサービスも強化していく。
同構想に基づく製品として、障害の解析や対応を行うシステム性能分析ソフト「WebSAM Invariant Analyzer」を新たに発表。同社独自の分析技術を活用し、エラーメッセージとして現れない性能の劣化を調べ、原因を特定できる。価格は1000万円で、10月20日に出荷を開始する。
今後3年間で、データセンターの構築を検討する企業や官公庁、データセンター事業者向けに、関連する製品を順次提供していく見通し。それに先駆け、2010年度にはデータセンターのネットワークを効率化する「プログラマブルフロー・スイッチ/コントローラ」を製品化する計画だ。
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