10年後では遅い――アジア進出を図るECナビの狙い:世界で勝つ 強い日本企業のつくり方(2/2 ページ)
中国で高級ホテル専門のオークションサイトを展開するなど、アジア進出に意欲を見せるECナビの宇佐美社長に話を聞いた。
ネットリサーチを本格展開
ITmedia 今後のアジアでの事業展開を教えてください。
宇佐美 中国向けのネットリサーチサイトを2009年10月30日に開設しました。ポイント特典により1カ月で1万人の会員を獲得しました。さまざまな企業にリサーチ基盤として広く提供します。
11月27日から30日に実施した「快速問答」には、5353件の回答と1903件のコメントが寄せられました。
ちなみに質問は例えば「中国に“成家立業”という諺があります。“成家”は“家庭を築く”、“立業”は“仕事に専念する”ことで、仕事に専念したければ家庭を先に築かなくてはならないという意味です。では実際に“家庭に専念すること”と“事業を始めること”のどちらを優先するべきでしょうか」というもの。
回答は、「事業を先に始めてから家庭を築く」が51%で1位、以下、「家庭を先に築いてから事業を始める」が29%、「どちらともいえない」が16%、「独身主義です」が4%だった。コメントには「事業を築けなければ結婚できない。お金がなければ何もできないから」など、現実的な声が寄せられています。
この事業を運営する100%子会社「Research Panel Asia」を10月30日に設立しました。リサーチ機能をすべて提供するのではなく、基盤機能に特化します。その上で、中国だけでなくベトナムなどアジア全体に水平展開していきます。今後のアジア経済の成長を見据えた場合に、2013年には世界のオンライン人口が22億人に達し、その43%がアジアになると見込まれています。欧米など海外企業のアジアへの投資意欲が強まっています。われわれが培ってきたリサーチ事業のノウハウを生かし、海外企業が求めるアジア市場のリサーチニーズに対応していく考えです。
【ITmedia エンタープライズ『世界で勝つ 強い日本企業のつくり方』連動アンケート実施中】
お勤め先の海外進出状況などについて、ご意見をお聞かせください。
抽選で10名様に、『Amazonギフト券(3000円相当)』をプレゼント!
企業向け情報を集約した「ITmedia エンタープライズ」も併せてチェック
関連記事
- 世界で勝つ 強い日本企業のつくり方
- 国産ICTは極めてハイレベルだ
2010年は国内企業の海外展開が一層進むとみられる。海外進出の基盤となるのがICTだ。MM総研の中島洋代表取締役所長は、国産ICTのレベルの高さは世界でも類を見ないものであり、海外戦略においても通用すると力を込める。 - 日本流と現地流の調和をどう生み出すか――ソフトブレーン・駒木専務
オフショア開発などで古くから中国進出に進出するソフトブレーンは、事業が軌道に乗るまでに人材面や社会環境の変化などのさまざまな課題に直面したという。それをどのように乗り越えて事業基盤を築いたのか、同社に聞いた。 - グローバルクラウドに潜む法的課題
テクノロジーの進化がクラウドを普及させた。それに伴い、世界規模で越境する情報をどう管理するか、集積した情報を誰がどう利用するかといった論点が浮上している。クラウド型サービスの活用で課題となる法的・政策的課題を考える。 - グローバルプライベートクラウドに商機あり
激しいシェア争いが繰り広げるBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)などの新興国市場におけるシェア獲得に向け、日本企業は海外事業の展開強化とグローバル規模での経営の可視化を実施することが重要だ。 - 大前研一の辛口ニッポン応援談(後編)
日本の教育を改革する際の方法は2つ。「スーパースパルタ」の韓国方式と徹底的に考える力を養う北欧方式だ。 - 大前研一の辛口ニッポン応援談(前編)
大前研一氏に強い日本企業をつくる上でのヒントを聞く。中国など新興発展諸国の登場でグローバル展開が新たな局面を迎える中、日本企業は大いなる覚悟で進む必要がありそうだ。アンビション(野心、大志)の欠落が危険だと大前氏は指摘する。 - 世界で勝つ日本企業の中国攻略法
日本企業が海外展開のスピードを速めている。鍵を握るのがアジアで、特に中国への関心が高い。13億の人口を抱え所得増が期待される。中国ビジネスをよく知る元大手商社担当者、ソニーの中国法人社長への取材を通じて、中国市場攻略の糸口を探る。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.