新年に描いた夢のかなえ方:ビジネスマンの不死身力(2/2 ページ)
2010年が始まり、年初に今年の夢や目標を描いた方も多いはずだ。だが仕事に忙殺され、目標倒れで終わってしまうようではもったいない。年初に描いた夢をわくわくしながら実現するための方法をお伝えしよう。
わたしは、これで夢がかなった
紹介した3つのステップは、最近流行しているロジカルシンキングでもなければ、論理的に物事に取り組む手法でもない。こんなことで夢がかなうのかと疑問を持った方のために、実際に夢をたぐり寄せた体験談をお伝えしたい。
わたしは2009年1月に、いままでの経験を本にまとめて出版すると決意した。だが出版社や編集者と特別なつながりは持っていなかった。出版の経験もないため、どうすれば書籍を世に出せるかを具体的に考えても、何も出てこなかった。この時点で出版は夢物語だった。
そこで、「もし、出版が決まったらどうなっているか」という結果をイメージすることにした。すると自宅の机に向かい、原稿を書いている情景がふと浮かんできた。その後、いつ出版するか、完成した本を手にしたらどんな気分になるか、といった出版時のイメージを作っていった。
出版までのプロセスはよく分からないままだった。その当時できることといえば、出版関連のメールマガジンや本を読んだり、クライアント向けのメールマガジンを書き続けることだった。「出版できたらうれしい」という結果のイメージだけをよりどころに、毎日メールマガジンを書き続けていった。メールマガジンを作る過程で、目次や全体の構成を考え、書籍のプロトタイプを作り始めた。
出版を決めてから5カ月後の2009年5月、商業出版のお誘いが舞い込んできた。毎日執筆していたメールマガジンを購読していた編集者から、連絡をいただいたのだ。結果をイメージしながら、第三者に向けて文章を書き続けたことが奏功したのかもしれない。出版のプロセスを教わりながら本を書き、現在は編集作業に入っている。
運がよかったことは否定できない。だが結果を思い描くことで毎日の行動の動機が生まれ、メールマガジンの執筆にも精が出た。それが今回の出版の話につながったのは紛れもない事実である。
ビジネスマンの不死身力も、この考え方で実現した
実は、本連載「ビジネスマンの不死身力」も、同じステップでチャンスをつかんでいる。
ブログやメールマガジンを執筆する中で、その内容を多くの人に読んでほしいと考えるようになった。執筆しているブログだけではその夢は実現しないと考え、Webメディアで記事を書きたいという思いが膨らんでいった。だが、元々はWebメディアの一読者。常識的に考えると、そこで自分が執筆するのは無理という結論に至ってしまう。
そこで、「Webメディアで記事が書けたらいいな」という思いから、それがもたらす結果をイメージしてみた。自分の署名が入った記事を想像すると、わくわくしてきた。そして、今できることを考え、原稿を書いてみることにした。原稿を電子メールで送るのは勇気が必要だったが、結果のイメージを支えに、送信ボタンをクリックした。今自分ができることを考え、その一歩を踏み出したことで、連載を担当する機会が得られた。
結果のイメージを基に行動を起こすことで、夢が実現する可能性は広がっていく。もちろん、システム開発のように結果をもたらす要素を分割し、1つずつ実行していくことが求められる場面もある。だが、立てた目標を実現するためのプロセスが長く、過去の経験では具体的にできない場合は、結果をイメージし、今の自分ができる行動を起こすことが有効になる。
3つのステップを忠実に再現すれば必ず夢がかなう、と言うつもりはない。だが「○○になったらいいのに」とぼんやり考えているだけでは夢はかなわない。行動を起こすことによってのみ、結果はついてくるのだ。
著者プロフィール:竹内義晴(たけうちよしはる)
テイクウェーブ代表。自動車メーカー、コンピュータ会社を経て、現在は、経営者・起業家・リーダー層を中心としたビジネスコーチング、人材教育に従事。システムエンジニア時代には、プロジェクトマネジメントにコーチングや神経言語学を生かし、組織活性化を実現。この経験を生かして、クライアントの夢が現実になるよう、コーチングの現場で日々奮闘している。アイティメディア「オルタナティブ・ブログ」の「竹内義晴の、しごとのみらい」で、組織作りやコミュニケーション、個人のライフワークについて執筆中。
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