グローバルICT導入のための5箇条:世界で勝つ 強い日本企業のつくり方(2/2 ページ)
海外進出時におけるICT活用において具体的にどのような展開をしていくことが重要なのか、以下の通り5つのポイントを挙げてみる。
コンピュータリソースの最適化に向けた共通プラットフォームの構築
海外に拠点を持つようになれば、24時間365日、世界中のどこかでシステムが動いていることになる。そこで重要となるのが時差を想定したコンピュータリソースの最適化だ。つまり、ある海外拠点が夜間にシステムをあまり利用していない場合、昼間にあたるそのほかの拠点が、そのコンピュータリソースを活用できる。
そのためには、グローバル規模で共通のプラットフォーム、つまりプライベートクラウドの共通基盤を構築し、グローバルで全社横断的に利用できる共通プラットフォーム環境を整えていくことが、経済性や効率性を考えると重要となる。
グローバル規模でのセキュリティマネジメント
企業においては、内部統制などに代表されるように、グローバルでの統一的なシステムの導入やセキュリティマネジメントの重要性が高まってきている。各拠点に専任のセキュリティ担当者を配置するのは稼働面から考えても得策ではない。アプリケーションの統合を支援し、データセンターからネットワークまで一元的にセキュリティの運用・管理ができる事業者を選定していくことが重要となる。
グローバルコラボレーションの強化
企業において意思決定や情報の受発信などの効率化を進めるためには、ICTの活用が必要不可欠となる。例えば、テレビ会議で海外の拠点と結び、全体の意思決定を行うといったことが可能となる。音声をIP化することによって、低コストで海外拠点とやり取りができることになる。グローバルIPネットワーク上で、多様なコミュニケーションツールを統合することによって、グローバル規模でのコラボレーションを進めていくことが重要となる。
以上のように、5つのポイントを挙げてみた。これらのポイントはあくまでもアウトソーシングをしていくべきポイントである。日本企業が世界市場で勝者になるためには、必要な機能は徹底的にアウトソースする一方、コアコンピタンス(自社の強み)に注力し、優れた技術やサービスを売りさばいていくための方法論を見つける必要がある。
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