ウイングアークが帳票サービス新版 クラウド対応も急ぐ
ウイングアーク テクノロジーズは、PDFや多言語への対応を強化した帳票サービスの最新版を今夏に提供する。既存ユーザーの乗り換え需要を狙い、クラウド化も進めていく。
ウイングアーク テクノロジーズは4月26日に記者会見を開き、帳票サービスの最新版「Super Visual Formade(SVF) バージョン9」の提供を7〜8月に開始すると発表した。同サービスのクラウド化も進めている。
SVF バージョン9では、Webによる帳票運用を簡単にする機能を追加している。例えばPDFの出力において、部数や印刷ページ、用紙選択、両面印刷をあらかじめ設定できるようにした。印刷時の文字化けを防ぐために、印刷用途のPDF規格「PDF/X」にも対応させた。対応言語として「タイ語」を加えたほか、OpenOffice.orgで作成したデータを帳票に取り込む機能も強化している。
SVFのクラウド対応も進めていく。サービス基盤に米Amazon Web Servicesの「Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)」を採用し、EC2の仮想サーバ上で動作させたSVFから、基幹系システムの帳票を印刷するサービスなどを開発している。クラウド化の進ちょくは「30〜40%」(営業統括本部 SVF戦略室 谷口功室長)であり、「帳票をクラウド上で運用できる可能性が出てきた」という。
ウイングアーク テクノロジーズでは約3年前からSaaS(サービスとしてのソフトウェア)事業にも取り組んでいる。内野弘幸社長は「売り上げ全体で見ると1%に満たない」と話す一方、「SVFのサーバの切り替え期間は7〜8年。この時期に企業のクラウド(サービス)への乗り換えが進む」と見ている。1万6000社(2月現在)に上るSVFの採用企業に「選択肢を提供する」目的で、クラウド化を急ぐ。クラウドサービスの提供は2010年度内を予定している。
関連記事
- ウイングアーク、Flashベースのダッシュボード機能をDr.Sum EAに追加
ウイングアークテクノロジーズはデータ活用ソフトウェア「Dr.Sum EA」に新たなインタフェースを提供する新製品を3月31日に発売すると発表した。 - ウイングアーク・フォーラム 2009 リポート:クラウドという潮流を企業はどうとらえるべきか
クラウドコンピューティングを取り入れたシステムの運用が一部で進みつつある。こうした動きに対して、企業はどのような心構えでいるべきか。ウイングアーク テクノロジーズが開催したユーザーイベントの基調講演では、このテーマに対する議論が交わされた。 - 帳票システム基盤刷新で年間1200万円のコスト削減
研削砥石分野で約30%のシェアを持つノリタケボンデッドアブレーシブは、生産管理システムの刷新を機に帳票システムの基盤としてウイングアーク テクノロジーズの帳票基盤ソリューションを採用した。 - ウイングアーク、SOA対応のPDFエンジンを発表
ウイングアークテクノロジーズは、SOAサービスの1つとして、PDFによる帳票生成サービスを組み込めるようにしたSOA対応PDFエンジン「SVF for PDF SOA Edition」を発表した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.