「本当のプラス思考」になる方法:ビジネスマンの不死身力(2/2 ページ)
目の前の嫌な出来事も、見方を変えればポジティブな側面がある。プラスに考える思考習慣を作るヒントをお伝えしよう。
本当のプラス思考で苦難を乗り切る
わたしがプロジェクトを率いていた時のこと、チームのスタッフが開発したシステムのプログラムに不具合が生じた。担当者は落ち込み、ユーザーに迷惑が掛からないかと焦っていた。
ここで「本当のプラス思考」を知らなければ、「なぜ不具合を出してしまったんだ」と責め立て、余計に落ち込ませていただろう。だが、原因を追及しても、不具合がなくなるわけではない。
そこで、この場面がプラスに働く場面や意味を考え、スタッフにこう伝えた。「プログラムの不具合があったおかげで、二度と同じ不具合を出さずに済むね。起きてしまったことは仕方がないから、今、何が必要かを一緒に考えよう」
つまり、不具合というネガティブな出来事は変えられないが、「これで同じ不具合は起きない。そのことが今分かって良かった」というプラスの意味を付け加えたのだ。
プラスの側面をスタッフに伝えることで、スタッフの困惑した顔つきは一変し、チームが一丸となって問題解決に前向きに取り組むことができた。
「本当のプラス思考」は、思考の習慣
目の前の出来事から目を背け、無理やりプラスに考えるのは難しい。だが、どんな出来事にもプラスに働く場面や意味が必ずある。起きた出来事そのものは変えられないが、その意味を肯定的にとらえ直すことは可能だ。
本当のプラス思考を作るのは、普段の習慣である。目の前の小さな出来事にもさまざまな側面があることを知り、それが何の役に立つか、肯定的な意味があるかといった側面で考えてみよう。この思考が習慣になると、「無理やりプラス思考に持って行く」必要はなくなり、物事の側面をポジティブにとらえられるようになる。あまり難しく考えずに、気軽な気持ちで始めてほしい。
「そういえば最近、物事を自然にプラスに考えられるようになった」――こう思う日が訪れるのは、それほど遠くないだろう。
著者プロフィール:竹内義晴(たけうちよしはる)
テイクウェーブ代表。ビジネスコーチ、人財育成コンサルタント。自動車メーカー勤務、ソフトウェア開発エンジニア、同管理職を経て、現職。エンジニア時代に仕事の過大なプレッシャーを受け、仕事や自分の在り方を模索し始める。管理職となり、自分が辛かった経験から「どうしたら、ワクワク働ける職場が作れるのか?」と悩んだ末、コーチングや心理学を学ぶ。ちょっとした会話の工夫によって、周りの仲間が明るくなり、自分自身も変わっていくことを実感。その体験を基に、Webや新聞などで幅広い執筆活動を行っている。アイティメディア「オルタナティブ・ブログ」の「竹内義晴の、しごとのみらい」で、組織作りやコミュニケーション、個人のライフワークについて執筆中。著書に『「職場がツライ」を変える会話のチカラ』がある。Twitterのアカウントは「@takewave」。
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