着実に企業の関心を集めるTwitter
IMJモバイルはTwitter活用における企業の意識調査を実施した。約7割の回答者がTwitter活用に関心を示したが、企業Twitterの特徴の1つである「消費者とのやりとり」がまだ活発に行われていない傾向もみられた。
IMJモバイルは6月28日、企業におけるTwitter活用の意識調査結果を発表した。キャンペーンの企画立案、自社のメディア戦略、投資の意思決定に対して権限を持つ回答者を集めた。
Twitterに対する企業ユーザーの関心
プロモーションにTwitterを活用している企業は14%、活用していないが興味はある企業は62%となった。約7割のキャンペーン担当者がTwitter活用に関心を持っており、注目度の高さが伺える。
Twitterを活用する理由、しない理由
Twitterを活用している企業の理由としては、「話題性がある」が61%で最も高く、「消費者とコミュニケーションができる」(48%)、「費用が掛からないから」(43%)が続いた。キャンペーン担当者はTwitterの話題性に期待を寄せるとともに、コストを掛けずに消費者と直接やりとりができるTwitterの特徴を評価している。
Twitter活用に興味がないと答えた企業は、「どの程度効果があるか分からないから」(34%)の回答が最も多く、次いで「自社のターゲットと合っていないから」(28%)、「運用体制がないから」(23%)となった。KPI(重要業績評価指標)や対象ユーザーの設定、運用体制の整備がTwitter活用の課題となっていることが分かる。
Twitter活用の用途
Twitterを活用している企業の用途は、「商品・サービスなどの情報配信」(70%)が最も多かった。「サイトの更新内容などの情報配信」が36%で続く。宣伝やプロモーションの一環としての活用が進んでいる。「消費者のツイートをコーポレート/キャンペーンサイトで掲載」(25%)、「リアルタイムでイベント中継」(23%)など、キャンペーンにも広く使われ始めている。
IMJモバイルがCRM(顧客関係管理)型と定義する「社長や担当者からのメッセージ伝達」は19%、「消費者との日常的な会話」は17%となった。Twitterの用途として消費者とコミュニケーションへの期待が高まっていたが、まだ本格的な実践には至っていないことが分かる。また「消費者の動向、自社製品・サービスに関するツイートのモニタリング」は16%であり、販売促進やマーケティングとしての活用はまだ進んでいないといえる。
Twitter活用の効果
Twitterを活用している企業の4割超が効果を感じている。具体的には、「非常に効果がある」(5%)、「効果がある」(37%)という回答がみられた。一方、「効果が計れていない」(21%)、「分からない」(7%)との回答もあり、約3割の企業はKPIの設定、測定ができていない様子が伺える。
プロモーションでTwitterおよびテレビCMを活用している企業にそれぞれの効果を聞いたところ、Twitterでは「認知拡大」(43%)が最も多く、「関心喚起」「Webサイト誘導」(ともに31%)、「話題露出/バス(口コミ)効果」(30%)が続いた。テレビCMでは「認知拡大」(53%)、「イメージアップ/ブランディング」(44%)、「購買促進」(32%)が主な回答だった。Twitterでは、Webサイトとの相性の良さ、口コミの広まりやすさが評価を集めていることが分かる。
調査期間は5月17、18日。619人の有効回答数を集めた。
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