どん底の日々からわたしを救った朝の時間:オルタナティブな生き方 坂本史郎さん(苦闘編)(3/3 ページ)
毎朝4時20分に起床して、全社員へのメールとオルタナティブ・ブログ「坂本史郎の【朝メール】より」執筆を日課としている坂本史郎さん。後編では、起業からの苦闘の日々、そして内観を経て朝の時間を活用するようになった経緯を聞いた。
朝時間を活用して情報発信すること
オルタナティブ・ブログは当初、朝メールのコラムを再利用したらできるなと考えて始めたものでした。ところが実際には、コラムの流用はそれほど長く続けられませんでした。というのも、社内向けの内容を外部に伝えてもあまり面白くなかったり、内容が古くていまさらブログで発信するのがためらわれるものも多かったりしたからです。そこで今は、会社に出勤するJR東戸塚駅から新橋までの37分間にブログを書いています。そして逆にそれを社内用に作り替え、朝メールのコラムに転用しているのです。
朝メールを書くのには、だいたい2〜3時間かかります。楽ではありませんが、習慣化することでそれほど大変だとは思わなくなりました。会社は人で成り立っていますので、その人をよく見るにはどうすればいいかを考えた結果です。
基本的に朝メールにはネガティブなことは書きません。ポジティブなことを書くには、朝は極めていい時間だと思います。人は状況や考え方が、常に変化します。いいときもあれば悪いときもある。この2つのムラをなんとかなくすようにし、なるべくいい面が出るよう仕向ける。そのための方法は何かを継続的に考え、工夫を続けています。そのときに、朝の力はかなり有効です。朝はポジティブになれるし、何をするにもスピードが速く、時間も有効に使えます。朝に手を打っておけば、その日1日後悔しません。実は今までに2度、朝メールをさぼったことがあるのですが、そのときは1日中不安で仕方がありませんでした。
朝メールは社員が50名もいたら通用しない、と人には言われます。確かにそうかもしれませんが、今のわが社の規模では有効です。有効なら実施すればいい。今やれることを、まずはやるべきでしょう。社員が増え50名になり朝メールをできなくなるときが来たら、そのときにまた何か新しい方法を工夫すればいいのです。
朝メールは簡易版を作り、東レの関係者にも送っています。これがわたしの日々の活動報告にもなり、ある種自分に対するお目付役的な意味にもなります。ブログも同様で、外部にメッセージを発することで、自分に対する励みにもなるのです。
オルタナティブ・ブログを始めるまでは、内向きの情報発信しか、していませんでした。でもこれからは、ブログやTwitterで外向きにも情報発信したいと考えています。情報は発信し続けることで価値が出るものだと思うのです。今後も長く続けて、自分が出したい情報を発信したときに、多くの人の参考になれるような、そういうブログを書けるようになれればいいなあ、と思っています。
坂本史郎氏 プロフィール
株式会社いいじゃんネット 代表取締役。
コミュニケーションデバイスと組織の理想形を追い求め、毎朝4時20分に起床して奮闘中。
早朝に書いているITmedia オルタナティブ・ブログ『坂本史郎の【朝メール】より』は、毎月TOP30に入る人気ブログである。
オルタナティブ・ブロガーインタビュー『オルタナティブな生き方』バックナンバー、オルタナティブ・ブログ坂本史郎の【朝メール】より
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