Amazon Web Services(AWS)は12月5日、同社クラウド上で動作するDNSサービス「Amazon Route 53」を発表した。βサービスとして提供する。
Amazon Route 53は、クエリ数に応じた課金体系を取るクラウドベースのDNSサービスだ。AWSが提供する「Amazon EC2」のインスタンスをはじめ、ストレージサービスの「Amazon S3」やCDNサービスの「Amazon CloudFront」など、同社が提供するさまざまなリソースに対して、IPアドレスとドメイン名を変換するDNSの機能を提供する。AWSで提供しているリソースとの連携を念頭に置いたサービスだが、オンプレミスのリソースを参照することも可能だ。
Amazon Route 53では「Hosted Zone」という概念に基づいて、リソースとレコードのマッピングを行う。Hosted Zoneは、DNSに置けるゾーンファイルと似たような役割を果たすもので、あるドメイン名(サブドメインを含む)に属するリソースの集合を記述することができる。現在、SOA、NSレコード、Aレコードのほか、CNAME、MX、SPF、それにIPv6アドレス用のAAAAレコードなどをサポートしている。
これらの操作はREST APIを介して行える。このとき、AWS Identity and Access Management(IAM)を組み合わせ、Hosted Zoneのアップデートに関するアクセス制御をきめ細かく実施することも可能だ。また同社ブログによると、AWS Management ConsoleやToolkitによるサポートも予定しているという。
Amazon Route 53のメリットは、インスタンスや利用者などの追加に応じて、迅速にDNSエントリを更新できるようになること。従来、DNSの変更が行き渡るにはある程度時間が必要だったが、Amazon Route 53ではHosted Zoneに対する変更が行き渡るまで、通常ならば約60秒で済むという。AWSでは、Amazon Elastic Load BalancerのインスタンスとDNSを自動的に結び付ける機能の提供も計画している。
また、東京も含め、全世界16カ所で処理を行っているため、高い可用性と高速性を提供できることも特徴。
Amazon Route 53の料金は、1Hosted Zone当たり月額1ドル、100万クエリ当たり0.50ドル。
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