たいていの企業は、自社の製品をあまり打ち切りたがらない。
だがMicrosoftは違う。少なくとも、Internet Explorer(IE)6に関しては。次第に時代遅れになっているこのブラウザがヴァンパイアだとすれば、Microsoftはその心臓に杭を打ち込もうと全力を尽くすヴァン・ヘルシングだ。少なくともMicrosoftの目には、IE6はヴァンパイアのようなものに見えているだろう。年月を重ね、危険を秘め、不思議なことに死ねない存在に。
もっとも、杭の代わりに、Microsoftは「The Internet Explorer 6 Countdown」というWebサイトを武器にしている。同社はこのサイトで実質的に、IE6の利用をやめるよう呼びかけている。米国ではIE6を使っている人の割合は非常に小さい(2.9%)が、中国(34.5%)、日本(10.3%)などではまだかなりのシェアがある。
「Webは過去10年で大きく変化した」とこのサイトには書かれている。「ブラウザは新しいWeb技術に合わせて進化してきた。IEの最新版は、ユーザーを新たな攻撃や脅威から守る手助けをする」。つまりこういうことだ。IE6は遅く、並はずれて脆弱で、もしかしたらユーザーの血をすすりたいという抗しがたい欲望を持っているかもしれない。
Microsoftの取り組みにもかかわらず、多数のユーザーが、もう1つのレガシープラットフォームであるWindows XP――MicrosoftはみんながこのOSを捨ててWindows 7に乗り換えることを切望している――と一緒にIE6を使い続けている。さまざまな大企業や中小企業が、以前のコードをベースにした独自ソフトのためのプラットフォームとして、Windows XPとIE6を使い続けている。
わたしが昨日eWEEKでこの問題について書いたとき、ある匿名のコメント投稿者が、IE6の利用が続いていることについて興味深い説明をしてくれた。「IE6の利用率が高い国を見てみるといい。海賊版ソフトの利用率が高い国のリストとどれだけ一致するだろう? 海賊版のWindows XPを使っていると、Microsoftから合法的にアップデートを受け取れず、IE6を使い続けることになる」
これもまた1つの説明になるかもしれない。いずれにしても、Microsoftは古くなったブラウザを地中深くに葬りたがっており、ユーザーがIE9に引きつけられることも望んでいる。同社は最近、IE9のRC(リリース候補)版をオンラインで公開した。約2500万人がIE9のβ版をテストし、パフォーマンスや標準、使い勝手、プライバシー、セキュリティなどに関するフィードバックを提供している。
もっとも、たとえMicrosoftがヴァンパイアを滅ぼすことができたとしても、まだいくつかの怪物と対峙しなくてはならない。Google Chrome、Mozilla Firefoxなど、ブラウザ市場でシェアを獲得しようとしているほかのブラウザだ。
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