「仮想化分野のリーダーを目指す」――Red HatのLinux事業部門トップ、トットン氏
米Red HatでLinux事業部門のトップを務めるジム・トットン氏が来日し、データセンターの仮想化/クラウド化を支援する同社の取り組みについて説明した。
レッドハットは1月12日、同社の事業戦略に関する記者説明会を開催した。来日した米Red Hatのジム・トットン バイスプレジデント兼プラットフォーム事業部門長は「企業ITのあらゆる分野でオープンソースソフトウェア(OSS)の導入が進んでいる」とし、OSSに関する同社の取り組みを説明した。
特に好調だというOS分野では、2011年12月6日にリリースしたRed Hat Enterprise Linux(RHEL)6.2の機能について説明した。トットン氏は「RHEL 6.2は単なるマイナーアップデートではなく、さまざまなアップデートが行われている」と話し、CPUの強化やID管理機能の強化をはじめとするアップデート点を紹介した。
また同氏は「企業IT全体で、データセンターを中心とする従来型のコンピューティングからの大きな転換が起きている」と述べ、データセンターの仮想化/クラウド化を支援する同社の取り組みについても説明した。
Red Hatは2011年10月に分散ストレージ技術を持つGlusterを買収し、ストレージ分野に進出している。トットン氏は「ストレージの仮想化やクラウド化は、既存環境からの自然な移行が求められる」(同氏)とし、Glusterの技術によってこれを実現できると強調した。
このほかLinuxサーバの自社内での管理を支援する「Red Hat Network Satellite」や、JBoss Enterprise Platformの運用管理ツール「JBoss Operations Network」、仮想化ソフトウェア「Red Hat Enterprise Virtualization」(RHEV)などの提供を通じ、さまざまなIT管理を実現するとしている。
レッドハットの廣川裕司社長によると、同社の2011年9〜11月期の業績はLinux分野の好調などにより、前年同期比で23%のプラス成長だったという。トットン氏は「当社はOSSの分野では業界ナンバーワンだと思う」「今後は仮想化の分野でリーダーになっていく」と述べ、現在β版を提供しているRHEV 3.0の機能を強化するほか、オープンソースの仮想化技術である「KVM」を引き続き活用していくとした。
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