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関西大、教育研究システムを仮想化技術で刷新 ICTコストを3割減:導入事例
メールや認証など各種サーバ21台の機能を2台のIAサーバに集約し、ICT関連トータルコストや消費電力を大幅に削減したという。
関西大学は、教育研究システムを富士通の仮想化技術で刷新し、9月に本格稼働を始めた。富士通が10月4日に発表した。
新環境では、メールや認証など各種サーバ21台を仮想化技術によって基幹IAサーバ「PRIMEQUEST 1400S2」2台に集約。そのうち1台を富士通のデータセンターに移設し、もう1台を学内に設置した。これら2台をネットワークで接続し、統合ID管理システム「UnifIDone」で認証基盤を同期させることで、どちらか一方のサーバが停電などで停止した場合もメールサービスなどの利用を続けられるようにしたという。
また、学生と教員が利用するファイルサーバには、クラウド型のファイルサーバサービス「オーガニックストレージサービスII」を採用した。同大では従来、1人当たり一律1Gバイトのファイルサーバ容量を提供していた。オーガニックストレージサービスIIならユーザー1人1人の利用に応じて容量を拡大/縮小できるため、学内に保有するファイル容量を60%削減できたとしている。
関西大はこれらの施策を通じ、ICT関連のトータルコストを30%、消費電力を46%削減できたという。また同大は来年度以降、学内クラウドの構築や、仮想デスクトップを利用したPC教室の刷新など、クラウド化への取り組みを一層進める考えだ。
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