第5回 見落としがちな「マイナンバー記載時期」と「例外・注意点」:税理士目線で提案する「中小企業のマイナンバー対策」(2/3 ページ)
中小企業のマイナンバー対応は「士業への委託を考慮した対策」が必要。5回目は「税務関係番号記載への記載時期」と「例外や注意点」、中小企業や税理士に向けたサービス選定のポイントを解説する。
マイナンバーの収集で注意すべきこと
年末調整を税理士事務所へ委託する場合でも、従業員などの個人番号を収集する際、役割分担として企業が行うこと、その要件は「第2回 マイナンバー対応、税理士業務の現状と課題を知る」で整理しました。
改めてスムーズに従業員から個人番号を収集するにはどうするか。制度開始前にあらかじめ従業員へ案内しておきたい注意点を整理します。
注意点
- 現在居住している住所は、住民票の通りか
- 離れて暮らす親/同居していない扶養親族がいる場合はどうするか
現在居住している住所は、住民票の通りか
引っ越しをして、住民票を移していなければ、本人や家族に個人番号の通知(通知カード)が届かない恐れがあります。2010月10月に通知カードが届く旨、それが必要なので最低限なくさないよう管理する旨の告知や注意喚起は必須として、住民票をきちんと移したか、まだであれば早期に移すよう注意を促す必要もあります。
同居していない扶養親族がいる場合はどうするか
個人番号の通知カードは世帯単位で送付されることになっています。同居している家族の分は問題ないとして、同居していない親を扶養している場合などに注意が必要です。例えばあらかじめその分の通知カードのコピーなどを入手しておくよう注意を促すなどの対策が必要です。
「マイナンバーが収集できなかった時」はどうするか
事前に注意や対策をしても、どうしても個人番号が収集できない場合はどうするか。例えば、個人番号の提供を拒否された場合はどうすればよいのでしょう。
平成27年5月25日に更新された国税庁の「国税分野におけるFAQのQ2-10」では、この問題を取り上げています。
まず源泉徴収票などへの個人番号の記載は法律で定められた義務であることを伝え、提供を求めることを原則として示します。それでも提供を受けられない場合は、提供を求めた経過などを記録、保存すること、としています。
なぜ記録が必要なのでしょう。この記録がなければ、個人番号の提供を受けたのに紛失したケースなどと判別ができないので、企業または税理士事務所が紛失したと疑われる恐れがあるからです。このようなケースへの対応方法は企業と税理士事務所であらかじめ共有しておくことが大切です。
なお、国税庁では個人番号の記載がないからといって、税務署が書類を受理しないということはないとしています。
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