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1人の“ゲーム女子”が「Tableau」でデータ分析チームを作るまで:脱Excelで作業速度が10倍に(4/4 ページ)
買い切り型から運用型へとビジネスモデルがシフトしつつあるゲーム業界。業界大手のカプコンも既存ブランドのオンラインタイトルをリリースしている。収益のカギを握るユーザー動向の分析に立ち上がったのは、1人の“ゲーム女子”だった。
オンラインサービス関連業務の組織改革が進むカプコン
データ分析によって得られる知見は、これまでゲーム開発の現場で、勘と経験で実施してきた施策の裏付けになることが多いそうだ。定説をひっくり返すような結果はそれほどなく、あっても「大体1割くらい」(二瓶さん)だという。
とはいえ、ユーザーを細かいクラスタに分けて分析してみることで、「こういうユーザーが平均値を上げていたんだ!」というような、それまで考慮できていなかった要素に気付くケースは多い。
データ分析ツールの導入でよく“カベ”として挙がるのがROI(費用対効果)の問題だ。分析が売上にどのように影響を与えているか数値化しにくいため、ツールの導入時に決裁が下りにくかったり、業務の目標を立てにくかったりすることが多い。二瓶さんの仕事についても、売上に直結するような目標は課されていないというが、彼女のもとに舞い込んでくる依頼が後を絶たないことが、分析に価値があることの何よりの証拠だろう。
今後は、各ゲームを開発、運用するチームの中に分析担当者を増やしていくことが、二瓶さんの目標だ。最近では、Tableauの導入支援や分析手法の勉強会を開催することに注力しているそうだ。その動きを後押しするかのように、カプコンでは今、社内教育やシステム基盤の共通化を担う部署が新設されるなど、オンラインサービス関連業務の組織改革が進んでいるのだという(後編に続く)。
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