Googleマップの偽情報はこうして作られる Google マイビジネスを悪用する実態を公表
「Google マイビジネス」を悪用してローカル検索などに偽情報を表示させ、ユーザーをだます手口についてGoogleが実態報告書を公表した。
米Googleは4月6日、Googleマップや検索に、店舗などの情報を掲載できる「Googleマイビジネス」の悪用事例に関する実態報告書を発表した。
Googleマイビジネスでは、さまざまな店舗やサービスなどを無料で登録して、Googleのローカル検索などに表示できる。しかし偽の情報を掲載して法外な料金を請求するといった不正も後を絶たない。
同社はカリフォルニア大学と組んで、こうした偽情報について1年がかりで調査を実施した。その結果、ローカル検索では約0.5%の確率で偽情報が表示されていることが判明。特に鍵交換業者や配管工、電気技術者などを装う手口が最も多く、偽情報全体の5分の2を占めていた。
米国では実際に、鍵交換業者を装い架空の住所と使い捨ての電話番号を掲載してユーザーをだまし、経験の乏しい人物を派遣して法外な料金を要求するといった手口が報告されている。
また、他人が経営するホテルやレストランなどの経営者を名乗って予約を受け付け、紹介料を要求する手口も、偽情報10件のうち1件に見られた。
Googleではこうした不正に対抗するため、新しい情報が投稿されるとその住所宛てに確認のハガキを郵便で送るといった対策を講じてきたが、そうした対策もかわされていることが今回の調査で分かったという。
そこで同社は住所確認の方法を大幅に変更するとともに、鍵交換業者や配管工については高度な審査手順を試験的に導入したと説明。こうした対策が奏功して、偽情報の85%はGoogleマップに表示される前に阻止され、偽情報の掲載は2015年6月のピーク時に比べて70%減ったとしている。
それでもこうした対策をすり抜けて掲載されてしまう偽情報もあるかもしれないとGoogleは認め、「今後もユーザーとビジネスオーナーのために、システムを継続的に向上させていく」と説明している。
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