Googleマップ、情報更新にディープラーニングとストビュー画像を活用
Googleマップの精度向上に取り組む「Ground Truth」チームが、ストリートビューカーの膨大な画像をディープラーニングで解析することで、地名や店舗名を更新する取り組みについて説明。将来的には自動更新を目指すとしている。
米Googleは5月3日(現地時間)、「Googleマップ」でのディープラーニング活用について説明した。ストリートビューカーで撮影した画像内のテキストや位置情報のディープラーニング解析を、Googleマップ上の街路名やビジネス名の更新に使っているという。
Googleマップの正確さ向上に取り組む「Ground Truth」チームは、常に更新されている8000億件以上の高精細なストリートビュー画像をディープラーニングで解析することで、将来的にはGoogleマップ上の情報を自動的に更新していきたいとしている。
同社は2008年からストリートビュー上の顔やナンバープレートのぼかしに人工知能を採用している。
番地特定については2014年に90%の確度で数字を読み取れるようになったと発表した。現在ではGoogleマップ上の住所の3分の1以上がこのシステムによって更新されている。
現在はさらに、街路名の読み取りも実施しており、100万件以上のデータセットを使った実験では84.2%の確度を達成したという。例えば下図のような読み取りにくい画像からも正しい街路名を読み取れた。Googleは同日、TensorFlowによるこの読み取りモデルをGitHubで公開した。
同社はまた、通り沿いの店舗の看板にある様々な情報からビジネス名を抽出するモデルも開発した。例えば下図のタイヤメーカーのロゴや電話番号も表示されている看板からビジネス名の「Zelina Pneus」だけを抽出できたという。
Ground Truthチームは、こうした取り組みで、同社のオリジナルプロセッサ「TPU(Tensor Processing Unit)」を活用している。
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