「トラフィックの8割以上がボットだった」――JAL、「Bot Manager」で航空券予約サイトへの迷惑ボットを撲滅:運用コストを6割カット
日本航空は、海外地区のJAL Webサイト(航空券予約サイト)への全アクセスの8割以上を占めていた迷惑ボットの照会アクセスを制御する「Bot Manager」を導入。迷惑ボットを排除した結果、運用コストを約6割削減した。【訂正】
日本航空(JAL)は、ボットによるWebサイトへのアクセスを制御できる、アカマイ・テクノロジーズのボット管理サービス「Bot Manager」を導入した。
海外地区のJAL Webサイト(航空券予約サイト)では、空席照会や座席予約をすると、外部の予約エンジンサービスへのリクエストが発生し、その量に応じてJALへの課金が発生する仕組みになっている。
昨今のインバウンド需要の高まりで、サイトを通じた航空券の売り上げが伸びる一方、価格比較を目的に、空席や運賃情報を照会するだけで購入に直結しないボットによるアクセスも増加し、外部サービスへの課金額が負担となっていた。
Bot Managerは、Webサイトにアクセスする多様な種類のボットを管理できるソリューションだ。事前に設定するポリシーに従って、ビジネスに有益なボットと、悪性のボットをリアルタイムで識別し、悪性のボットへの対応が行える。悪性ボットには、アクセスをブロックまたは遅延させるほか、代替サイトから疑似回答するなど、ボットの性質に応じて対処するという。
JALでは、Bot Managerの試用期間にログ分析によってボットの検知精度を高めた結果、この国際線予約サイトへの全アクセスのうち約86%のトラフィックをボットが占めていたことを把握。これらのボットによって発生していた無駄なリクエストを排除した結果、外部サービスへの課金を59%削減できたという。
【訂正:2017年8月28日12時36分 初出時に、JALの全予約サイトが対象と誤解を与える記述になっていました。正しくは「インバウンド向け国際線予約サイト」での導入です。おわびして訂正します】
【訂正:2017年8月30日18時13分 国内の国際線航空券予約サイトは非対象で、海外地区の航空券予約サイトのみが対象となるため、「インバウンド向け国際線予約サイト」を「海外地区のJAL Webサイト(航空券予約サイト)」に表記変更しました】
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