HoloLensで海運・海洋産業にもDX――陸海空のDX市場を制覇したHoloLensの実力とは?:Microsoft Focus(3/3 ページ)
日本マイクロソフトは、JRCSとの協業で、HoloLensを活用した海運・海洋産業のデジタルトランスフォーメーション(DX)にも乗り出した。その詳細とDXにおけるHoloLensの可能性とは。
日本のHoloLens普及がMR市場拡大の追い風に
今回の協業に合わせて、日本マイクロソフトでは、HoloLensのプロジェクトにおいても、デジタルアドバイザーを活用することを初めて明らかにした。
デジタルアドバイザーについては、本コラムでも何度か紹介しているが、HoloLensを活用したDXのケースに、デジタルアドバイザーが参加するといったことはこれまでなかった。
日本マイクロソフトの平野社長は、「デジタルアドバイザーは、海でいえば『航海士』に似た役割を果たすことになる。企業の経営方針やビジネスそのものを理解すると同時に、テクノロジーをどう活用すればいいのかを提案できるスキルを持った人材。今後はHoloLensを活用したDXで、デジタルアドバイザーが活躍する場面が増えることになるだろう」とする。
現在、日本国内のデジタルアドバイザーは10人未満だが、平野社長は、この陣容を大幅に拡大する意向を示している。「日本市場で、デジタルアドバイザーによる支援が求められるケースが急増している。グローバルの流れに合わせるよりも、日本の成長に合わせて増員させる必要がある」とする。
また、米Microsoft本社では、MRに関する開発体制を強化。AI Perception & Mixed Realityという組織が発足し、AIとHoloLensを融合した形で開発する姿勢を明確にした。世界でも先進的といわれる日本のHoloLensビジネスを、さらに加速することにもつながりそうだ。
「陸、海、空が終わっても、まだまだやることはある。そして、まだまだ発表できる案件も増えていく」と平野社長。日本におけるHoloLensの取り組みは、陸海空を制したこれからが本番だ。
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