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【特集】人材採用、育成のDX:

これは、2020年以降も続く挑戦だ――新卒採用と研修を完全にオンライン化した企業の気付き (1/2)

2020年に大きな変化を余儀なくされた業務の一つが、新卒採用および新卒研修だ。全社テレワークを決めたことで、採用と研修を「全面オンライン化」した企業の担当者が、その方法やメリット、デメリット、今後の課題について率直に語った。今後の働き方の変化を見据える同社のより深い挑戦とは。

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 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が大きな影響を与えた活動の一つが、企業の新卒採用だ。例年なら会社説明会を開いて大勢の学生を集め、書類選考や面接を実施して内定に至る。今振り返ると、採用活動のほとんどが、対面で進められていた。しかし、COVID-19の影響で、これまでの方法が使えなくなってしまったという企業もあるのではないだろうか。

 そんな中、新卒採用と新卒研修を思い切って「全面オンライン化」したのが、企業向けソフトウェアやBIツールを手掛けるウイングアーク1stだ。同社は2020年2月後半、政府のCOVID-19対策方針をきっかけに、それまで試験的に進めていたテレワークの全社導入を決めた。

 トップダウンで始まった活動とはいえ、現場では担当者がオンライン化の方法を見極めながら、手探りで採用と研修を進めていた。その過程で見えてきたオンライン採用、研修のメリットと課題を詳しく聞いた。

採用期間に入ってからオンライン化が決定 手探りで始まった挑戦

 同社は例年、15〜20人程度の新卒者を採用している。本格的な選考が始まるのは、3月初旬の会社説明会からだ。2020年も3月7日に1回目の会社説明会を予定していた。

 「会社として在宅勤務への移行を決めたことで、3月7日の会社説明会はオンラインでと判断しました」と話すのは、同社で採用を担当する高柳裕一氏(People Success部 Organization Developmentグループ Recruiting チーム チームリーダー)だ。


ウイングアーク1stで採用を担当する高柳裕一氏(People Success部 Organization Developmentグループ Recruiting チーム チームリーダー)

 ウイングアーク1stにおける新卒採用の仕組みは、3月から会社説明会を開催し、書類選考を経て4回の面接を実施した後、最終面談を実施し内定に至るというものだ。従来、遠隔地にいる学生の一次面接を除き、これらの行程は全てオフラインで実施されてきた。2020年に全てをオンライン化した際も、会社説明会から内定までのフローは基本的に変えないことにした。

 オンラインでの説明会や面接には、同社が普段から利用しているWeb会議ツール「Zoom」を利用した。応募してきた学生と資料を共有する際は、一部で「Google Drive」も使っている。従来は紙の内定通知書になつ印してもらう書類のやりとりがあったが、これについては電子契約管理に利用していた「DocuSign」を使うことで「脱ハンコ」を実現した。

 一見スムーズに進んだようだが、新卒採用のオンライン化において「具体的にどのプロセスをどうやってオンライン化するのか」といった仕組みづくりや「どのツールを使うか」といった検討は、実際に採用活動が始まってから担当チームが試行錯誤を重ねて進めたという。

 「DocuSignの採用も、内定を出す段階になって『紙が必要なプロセスがあった』と気付いたことがきっかけです。法務部門とも相談し『DocuSignで問題ない』と判断しました」と高柳氏は話す。

 同社は新卒の選考を2020年7月までにほぼ終了し、15人の学生に内定を出した。10月には、オンラインで内定式を開催した。このスケジュールは、オフラインで実施してきた採用活動のスケジュールとほぼ変わらなかった。

 同社の選考プロセスがもともとシンプルだった点も、オンライン化を進める上で幸いした。応募者に課題を出したり、グループ活動をさせたりといった、オンライン化の際に手間のかかるプロセスがなかったのだ。

 「基本的には、1対1の面接を各1時間、4回実施しながら選考します。これをきちんとオンライン化できれば、選考プロセス自体は大きく変えずに進められました」と高柳氏は語る。

採用者の内容に変化――担当者も驚いた、オンライン採用の思わぬメリット

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