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「出島」にするな、DX推進専門組織はこう作れ:Weekly Memo(1/2 ページ)
「出島」にならない効果的なDX専門組織はどう作ればよいのか――。多くの企業のこんな悩みに対し、KPMGコンサルティングの提案を基に考察したい。
KPMGコンサルティングがDX専門組織の設置を提案
「全社で取り組むDX(デジタルトランスフォーメーション)に向けて、まずは推進組織を設けて臨みたい。ただ、既存の各組織と離れたままの『出島』にならないようにしたい。どうすればよいのか」――多くの企業がこんな悩みを抱える中、KPMGコンサルティングがDX推進に向けた専門組織の設置方法について推奨形態を提案した。今回はその内容から、DXに取り組む企業にとって効果的な専門組織の作り方を考察したい。
KPMGコンサルティングが2022年4月18日に開いた「日本企業におけるDX推進の現状と課題解決に向けた提案」と題した記者説明会では、これまで100社を超える企業のDXを支援してきたという同社ディレクターの塩野拓氏が、DX専門組織の必要性について訴えた。
塩野氏はまず、日本企業でDXがうまくいかない理由について「多くの日本企業では経営トップの直下に主要な業務部門を配置する組織形態をとっている。この形態こそが、DXを全社的な活動として効果的に推進する際の弊害となっている」と指摘した上で、それぞれの組織上の観点から次の3つを挙げた。
1つ目は、経営トップの観点から。経営戦略ではデジタル化の必要性を強く打ち出しているものの、肝心の全社的なDX戦略を策定していないケースが多い。
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