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仮想化コスト高騰時代の「小規模分散環境」に適したITインフラの理想像とは?

仮想化ソフトウェアのライセンス体系変更が、多くの企業に影響を及ぼしている。特に、複数拠点に小規模の仮想化基盤を展開する企業にとって大きな課題だ。代替となるITインフラの検討が急務となる中、何が選択肢になるのか。

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 ITインフラの中核を成す仮想化基盤が岐路に立たされている。調査会社IDC Japanの調査レポート「多面的な進化を続ける持続可能なプライベートクラウド」(2026年2月公表)では、企業のIT部門が仮想化基盤において直面する課題として「セキュリティ強化」「人材不足の解消」「ITコストの削減」が上位に挙がった。

 サイバー脅威が事業の継続性を脅かす中、ITインフラのセキュリティ強化が求められている。加えてAIやコンテナといった新たな技術への取り組みが求められる一方、これらに対応できる高度なIT人材が不足している。

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企業が直面する仮想化基盤の課題(出典:「多面的な進化を続ける持続可能なプライベートクラウド」<IDC Japan, AP242549IB, 2026>を基にしたデル・テクノロジーズの資料)

コスト高騰と運用負荷の増大に直面する仮想化基盤

 こうした課題に加えて、IT部門を悩ませているのが仮想化ソフトウェアのライセンス体系変更に伴うコストの増加だ。IDC Japanのレポートによると、ライセンス変更に合わせて既存の仮想化基盤を見直していると回答した企業が全体の約80%に上った。

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デル・テクノロジーズの市川基夫氏(インフラストラクチャー・ソリューションズ SE統括本部 クラウドプラットフォーム ソリューションズ アドバイザリ システムズ エンジニア)

 安価な代替製品やオープンソースの仮想化ソフトウェアに乗り換えれば良いのかと言えば、そう単純ではない。サポート体制が手薄だったりハードウェアとソフトウェアの窓口が分かれていたりすると、障害時に迅速な対応ができなくなる。

 深刻な影響を受けるのが、数ノード程度の小規模な仮想化基盤を複数の拠点に展開する企業だ。「IT管理者が不在の拠点も多い中、運用負荷の増大は企業にとって許容しがたいリスクとなります」と、デル・テクノロジーズの市川基夫氏は指摘する。

 サポート体制が整っているHCI(ハイパーコンバージドインフラ)製品への移行を検討する動きもある。ただし上述のような小規模な仮想化基盤からの移行の場合、HCI製品の最小構成要件やノード当たりのスペックが高く、過剰な投資を強いられることがある。

小規模分散型の仮想化基盤の窮地を救う「Dell NativeEdge」

 これらの課題を解消するためにデル・テクノロジーズが用意しているのが「Dell NativeEdge」(以下、NativeEdge)だ。名称に「Edge」とあるものの、単なるエッジサーバではない。NativeEdgeは、統合管理ツール「Dell Automation Platform」とKVMベースの仮想化OS「NativeEdge OS」、サーバハードウェアで構成されるエッジ運用製品・技術群だ。

 リリース当初は単体ノードでの稼働が前提だったが、その後のアップデートで複数ノードによるHCIクラスタ構成が可能になった。ハードウェア障害時に別ノードで仮想マシンを自動起動するHA(高可用性)機能が利用できるため、より厳しい業務要件にも応えられる。工場出荷から稼働時まで改ざんや不正アクセスを防ぐため、ゼロトラストアーキテクチャに基づく強固なセキュリティ機能を持つ。

 仮想マシンに加えて、コンテナの展開・管理ができる点も特徴だ。デル・テクノロジーズの金田直之氏は「コンテナは、AIやマイクロサービスとの親和性が高いことから『仮想化基盤を維持しつつ、コンテナも動かせるITインフラにシフトしたい』というニーズが高まっています」と説明する。NativeEdgeを利用すれば、追加のライセンス費用なしでコンテナの導入に備えられる。

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デル・テクノロジーズの金田直之氏(インフラストラクチャー・ソリューションズ SE統括本部 HCI/SDI ソリューション本部 シニア システムズ エンジニア)

 NativeEdgeは、拠点ごとの環境構築やアプリケーション展開を自動化する仕組みとして「ブループリント」を利用する。ブループリントは、サーバやネットワーク設定、OS、ミドルウェア、アプリケーションの配布手順などを定義したテンプレートだ。プログラムでITインフラ構成を制御するInfrastructure as Code(IaC)の考え方に基づく。

 ブループリントを使うことで、ITインフラだけではなくOSやアプリケーションを含む構成をテンプレートに基づいて各拠点に展開できる。複数の拠点があっても個別に作業せず、構成のばらつきを抑えながら迅速な導入と安定した運用を可能にする。

 米国TechTargetの調査部門であるESG(Enterprise Strategy Group)が、複数のエッジ拠点を管理する製造業を想定してNativeEdgeを検証した結果がある。3年間でエッジ拠点を10カ所から30カ所に拡大させるシナリオでは、サーバのオンボーディングに要する時間を人手による運用と比べて最大92%削減できるという結果になった。パッチ適用やアプリケーション展開などの運用作業についても、劇的な効率化およびそれに伴う大幅なコスト削減が見込める。

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NativeEdgeが実現する運用効率化(出典:「Enterprise Strategy Group by TechTarget Technical Validation commissioned by Dell Technologies, "Dell NativeEdge - Edge Operations Software Platform"」<February 2025>を基にしたデル・テクノロジーズの資料)

スムーズな移行を後押しする機能とライセンス体系

 既存の仮想化ソフトウェアの代替策を検討する際、IT部門が最も気にするのは「必要な機能がそろっているか」「小規模環境に見合ったハードウェアを選べるか」「追加費用が発生しないか」といった点だ。

 NativeEdge OSは、ライブマイグレーションや自動フェイルオーバー、負荷分散機能など、企業のITインフラに必須となる機能を標準で備える。移行のハードルを下げる仕組みとして、代表的な仮想化ソフトウェアの統合管理ツールとの連携機能も搭載。既存の仮想マシンを自動で検出し、インポート作業を完了できる。

 ハードウェアは多様なモデルから選べる。エッジ向けの「Dell PowerEdge サーバ」のラックマウント型モデルやタワー型サーバモデルに加えて、ワークステーションの「Dell Precision」シリーズも選択できる。ラックスペースがない店舗のバックヤードや工場の制御盤周辺などにも、適切なサイジングで配置可能だ。

 ライセンスは、CPUのコア数やソケット数に依存しないノード単位のサブスクリプションを採用する。ソフトウェアとハードウェアの保守サポートも包含しており「従来使っていた仮想化基盤と比較して、トータルコストを半分以下に抑えられるケースもあります」と金田氏は説明する。

簡単、安心、安全──NativeEdgeならではの3つの特徴

 NativeEdgeは、「導入」「サポート」「セキュリティ」の分野でも強みがある。

 導入を支援するのが「ゼロタッチオンボーディング」だ。NativeEdgeを構成するハードウェアを出荷する際、標準規格「TPM」(Trusted Platform Module)に準拠したセキュリティチップに、暗号化した固有IDを書き込む。固有IDに対応するバウチャー(電子証明書)を発行して、顧客がハードウェアを電源とネットワークにつなぐと、バウチャーと固有IDをインターネット経由で照合。認証を通過するとハードウェアがNativeEdge OSを自動的にインストールする。各拠点への展開時に、管理者が現地に赴く必要はない。

 サポート面では、デル・テクノロジーズがソフトウェアとハードウェアの双方を対象に、国内窓口で24時間365日の問い合わせ対応を提供する。NativeEdgeの構成は動作検証を済ませたもので、バージョン不整合による障害リスクを抑えた。パッチ適用時には、仮想マシンを別ノードに自動退避させながらローリングアップグレードを実行することで、システムを停止させずに最新状態を維持できる。

 セキュリティの観点では、多層的な保護機構を標準機能として搭載している。店舗のバックヤードなどデータセンター外にあるエッジ機器は、不正アクセスや盗難などの物理的なリスクにさらされる。そのため、例えば現場でコンソールやキーボードを接続しても入力を受け付けない仕組みにして、ローカルアクセスを無効化する。

 他にも起動時にソフトウェアの改ざんを検証するメジャードブートやセキュアブート、さらにBIOS設定の変更を制限するBIOSロックダウンを組み合わせることで、製造から配送、運用までのサプライチェーン全体で悪意のあるプログラムの実行を防ぐ。通信面は双方向証明書認証(mTLS)によってなりすましを防止し、データ面は暗号鍵を安全に管理するストレージルートキーによって内蔵ディスクを暗号化する。

小規模分散環境を抱えるさまざまな業種にマッチ 機能強化でより使いやすく

 NativeEdgeは、全国の店舗で稼働するPOS(販売時点情報管理)システムや複数の工場で稼働するライン制御システムなど、分散するシステムのITインフラに対してリモート管理が可能だ。仮想化ソフトウェアのコスト高騰で、既存システムの維持が困難になった複数拠点の仮想化基盤に対して、可用性を確保しつつTCO(総所有コスト)を引き下げる受け皿となる。

 ITインフラに対する要件の高度化、複雑化を受けて、デル・テクノロジーズはNativeEdgeのさらなる機能拡張を計画している。AI処理をスムーズにするための仮想GPU(vGPU)関連機能の追加やHCIクラスタの構成可能ノード数の拡大に加えて、外部の共有ストレージアレイとの接続を可能にしていく予定だ。

 現在はNativeEdgeの構成要素として調達したハードウェアのみが、HCIクラスタを構成できる。今後はこの制限を緩和し、NativeEdgeの導入前から利用しているPowerEdgeサーバも、NativeEdge管理下のHCIクラスタとして再利用できるようにする計画もある。

 「NativeEdgeは、コスト高騰や人手不足、セキュリティといった複合的な課題を包括的に解決し、企業のITインフラに潜む“見えない運用コスト”を大きく削減します」と市川氏は語る。デル・テクノロジーズは、小規模分散環境に適したITインフラの選択肢として、NativeEdgeの機能拡張と価値向上を進める考えだ。

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提供:デル・テクノロジーズ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2026年6月30日

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