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【後編】AIが開く知識基盤の未来 企業を守る、鉄飛テクノロジーのAIガバナンス論最新技術への追随=DXではない

ファイルサーバ検索・文書管理ソフトウェア「FileBlog」を提供する鉄飛テクノロジー。前編では「『最新IT』が生む新たな課題を『成熟したIT』で解決する」という企業理念と、パッケージソフトウェアという形態へのこだわりを聞いた。後編では、急速に進化するAIに対する同社の向き合い方を聞く。

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 近年、多くの企業がAIの導入を急いでいる。しかし、Windowsファイルサーバの文書をWebブラウザで閲覧、検索、編集できるファイルサーバ検索・文書管理ソフトウェア「FileBlog」を提供する鉄飛テクノロジーの岡田国一氏は「流行の技術の性急な導入が必ずしも正解とは限らない」と分析する。FileBlogはAIチャットとの連携にも対応しているが、岡田氏は「最新技術の導入を積極的に検討しつつ、成熟した技術による安定運用を志向している」という。この背景には、IT戦略に対する技術者としての目利きがある。


鉄飛テクノロジーの岡田国一氏(代表取締役)

 「IT業界には、はやり廃りがあります。今の時点でAI活用が遅れているからといって、自分の会社は遅れているのだと悩まなくて大丈夫です。ビジネスにおいては、先頭を走ることよりも最後まで走り続けることの方が重要です。ブームの初期に先頭を走っていた製品が最後まで生き残るとは限りませんから、流行に惑わされずに自社に適した製品を見極める必要があります」

 AIは瞬く間に普及し、今や当たり前のサービスになった。しかし、新しいテクノロジーの採用を急いで、特定の製品に大きく投資する必要はないと岡田氏は考えている。「AIの利用は手段であるべきです。AIの導入そのものを目的として焦って動いても成果は出にくいと思います」

AIが生む新たな課題と、AIとの向き合い方

 「『最新IT』が生む新たな課題を『成熟したIT』で解決する」鉄飛テクノロジーは、急速に進化するAIにどのように向き合うのだろうか。

 2025年11月、FileBlogはチャット型のAIエージェント(オプション機能)を新たに搭載した。「最新の価格表はどこ?」「○○の手続き方法は?」のように質問すると、AIエージェントがファイルサーバを検索して回答を生成する。回答の元になったファイルへのリンクを提示するため、すぐに原文を確認できる。


ファイルサーバ内の文書を基に、ユーザーの質問に回答するFileBlogのAIチャット機能(提供:鉄飛テクノロジー)《クリックで拡大》

 一見すると最新トレンドへの追随にも見えるが、その視座は極めて現実的だ。岡田氏は「AIの能力向上は技術的必然で、AIが普及して労働を代替するのは経済的必然。もはや避けられない」と語る。その不可避な未来を見据えた上で、岡田氏はAIが普及する過程で生まれる新たな課題を予想する。

 「今後AIの利用シーンが増えるほど、AIのミスによる損害やセキュリティリスクといった新たな課題がクローズアップされるはずです。そこで重要になるのが、AIが参照できる情報を制御する権限管理などのAI統制の仕組みです」

AIを「一人の社員」のように管理する

 岡田氏は、人間とAIが健全に共存するにはAIを「個人の道具」としてではなく「組織の仲間」として管理・統制して、相互依存・相互信頼の関係を築く仕組みづくりが必要だと説く。理想とするのは、AIを「一人の社員」のように管理する仕組みだ。

 AIがユーザーの質問に答えるためにデータを参照する際は、本来そのユーザーが見ることができないはずの給与情報や秘匿文書の内容が漏えいしないように、AIにもユーザーと同等以下の閲覧権限を与えて管理する必要がある。FileBlogのAIも、ログインユーザーのアクセス権限をAIに適用する仕組みを採用している。

 「今後、データの更新などをAIが担うようになれば、さらに一段上の統制が不可欠です。部長が新入社員に作業を依頼したとして、その新入社員が部長と同じ権限で何でもやっていいのかというと、それは違いますよね。

 AIも同様に、部長が使う全てのAIに部長と同じ権限を与えるのではなく、新入社員と同じレベルの権限を持つAI、特定の作業だけに部長権限を使えるAIというふうに、AIの権限を絞って統制する。人間にとっての人事部のように、AIの職務分掌を定義する仕組みが必要です。

 併せて、AIによる変更履歴を自動でバックアップしていつでも元に戻せるようにしたり、AIのミスを組織が許容できるように備えたりする仕組みも必要になるでしょう。こうした管理体制を整えて初めて、AIに安心して実務を任せられるようになると考えています」

 FileBlogは現在、AIがファイルサーバ上の文書を検索・参照して質問に回答する機能を提供している。将来的には文書作成やファイル整理など、文書の更新や送信につながる操作をAIに許可する予定だ。

AIが生む課題を、AIを含めた技術で解決する

 岡田氏は、AIへの投資のタイミングを次のように提言する。

 「現在、ドキュメント作成などでAIの利用が拡大しています。ただ、AIに広い業務を任せるのはリスクが大きくコストもかかるので、慌てて飛び付く必要はありません。今後、より性能が良くて安いツールが出てくる可能性もあります。組織的にAIを導入するのは、自社にとって使いやすい製品を見極めたタイミングでもいいのではないでしょうか。FileBlogのAI機能も、お客さまのデータを守るために、安全性を確認した上で順次強化していきます」

 岡田氏は『最新ITが生む新たな課題を、成熟したITで解決する』という企業理念をAI時代の文脈で再解釈する。

 「いずれは『AIが生む課題を、AIを含めた技術で解決』できるようになると思っています。そのための人とAIとが共に考える組織の知識基盤を作りたいです」

 流行のキーワードに惑わされず、どの技術が業務に実効性をもたらすかを見極める。長く使い続けられるWindowsファイルサーバというインフラに軸足を置く鉄飛テクノロジーの姿勢は、まさにその「目利き」の結晶と言える。

 「私たちはこれからも本質的でシンプルな製品を作り続け、最新ITが生んだ新たな課題を地に足の着いた成熟したITで解決していきます」

※この記事は、鉄飛テクノロジーより提供された記事をITmediaエンタープライズ編集部で一部編集したものです。

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提供:株式会社鉄飛テクノロジー
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2026年6月10日

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