キャンプや釣りをする際に欠かせないアイテムの1つが、飲み物や食材、釣果(ちょうか)を冷たく保てる「クーラーボックス(ハードクーラー、保冷箱)」です。この記事では、税込み実売価格が1万〜2万円程度のクールボックスを選ぶ上でチェックすべきポイントと、それをふまえたおすすめ製品を紹介します。
クーラーボックスの中には、外部の熱を遮断する断熱材が入っています。クーラーボックスで使われる断熱材は、主に「発泡スチロール」「発泡ウレタン」「真空断熱パネル」のいずれかが使われています。それぞれの長短を書くと以下の通りです。
手土産の保冷なら発泡スチロール、主に飲料の保冷に使うなら発泡ウレタン、主に食料や釣果の保冷に使うなら真空断熱パネルを使ったクーラーボックスがおすすめです。
なお、持ち運ぶクーラーボックス(容量35L以下)には、JIS(日本工業規格)が定める「JIS S 2048:2006」という規格があります。同規格に準拠するクーラーボックスでは規格に基づく保冷試験を行っていて、8時間後の氷の残存率を仕様書に記載しています。メーカーによっては独自の指標で保冷力を示していることもあります。これらを参考にして、適切な保冷力を持つボックスを選ぶのも良いでしょう。
保冷力と並んで、クーラーボックスで重要なのが「容量」です。
クーラーボックスの容量は、「L(リットル)」で示されます。ただし、これは液体(水)を入れた際の容量を示しているので、この容量を丸々使えるわけではありません。飲み物や食品(釣果)や、保冷剤または氷の“かさ”を勘案して選ぶ必要があります。
参考に、500mLのペットボトルがどれくらい入るのか、目安を以下に示します。ただし、実際に入る量はボックスの高さや幅によって左右される上、保冷剤や氷を入れない前提での値なので注意しましょう。
視点を変えて「1泊2日のキャンプ」を基準に考えると、人数に応じて以下のような容量を目安に用意すると良いでしょう。場合によっては、「食べ物」「飲み物」といった具合でクーラーボックスを分けることも“アリ”です。
ただし、当たり前ですが、容量は大きくなるほどボックスの“かさ”も増します。寸法も合わせてチェックしましょう。
クーラーボックスはあくまでも「保温箱」です。冷たさをキープするには保冷剤や氷が欠かせないのですが。当たり前ですが保冷剤や氷は場所を取ります。
「限られた容量に、少しでも食材や飲み物を多く入れたい!」という場合は飲み物や食材自体を持ち出す直前まで凍らせておくという手段が有効です。もちろん、凍らせた飲み物や食材に保冷剤や氷をプラスすれば、保冷時間はさらに延ばせます。
クーラーボックスに飲み物や食材を入れると、当然ながら重たくなり、持ち運びも大変になります。
そこで注目したいのが、ボックスに付いている「ハンドル(取っ手)」や「車輪」、ケースに取り付けられる「ストラップ(ベルト)」です。とりわけ、車輪が付いているボックスなら、重たい荷物でも楽に運べて便利です。
上記のポイントを踏まえた上で、おすすめのクーラーボックスを3つ紹介します。
コールマンの車輪付きクーラーボックスです。容量は約58Lで、ボディーカラーはアイスブルーのみです。税込みの実売価格は1万1000円前後です。
アウトドア(キャンプやレジャー)で使うことを想定したボックスで、車輪とハンドルが付いているので、飲み物や食材をたくさん入れても安心です。断熱材は発泡ウレタンで、最長で5日間保冷できます。
ふたにはカップホルダーを備えており、テーブル代わりにも使えます。
シマノの軽量クーラーボックスです。容量は30Lで、ボディーカラーはピュアホワイトとライムグリーンがあり、税込みの実売価格は1万5000円前後となります。
釣り向けの本格的なクーラーボックスとしてはエントリーモデルで、断熱材として発泡ポリスチレンが使われています。ふたは両開きで、釣りをしている間に椅子代わりに使うこともできます。底に水がたまっても簡単に抜き取れる寄稿も備えています。
同社独自の保冷基準「I-CE」は40時間で、日帰りの釣りやそれほどの遠出にならない1泊2日程度のキャンプにおすすめです。
ダイワのクーラーボックスで、容量は15Lです。ボディーカラーはレッドとブルーの2つで、税込みの実売価格は1万7000円前後となります。
容量こそ控え目ですが、断熱材に発泡ウレタンを採用し、竿立て(2個)や小物入れをボディーに装着できる本格的な釣り仕様のクーラーボックスです。同社がJIS規格の簡便法を元に策定した保冷力基準は「KEEP」の値は38で、日帰りの釣りであれば十分過ぎる保冷性能を確保しています。
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