キャンプの夜に欠かせないのが「シュラフ(寝袋)」。秋になると過ごしやすい気候になり、落ち着いたキャンプが楽しめますが、キャンプ場の夜は思いのほか冷え込み、夏には快適だったシュラフなのに、寒くて眠れない……といったこともありえます。
凍えて眠れないキャンプは実につらいもの。秋でも安心して使えるシュラフの選び方と、おすすめモデルを紹介します。
キャンプで眠るということは、テントの中とはいえ、屋外で眠るのと同じこと。キャンプ場は山の中にあることも多く、平地の自宅で過ごす感覚で考えると失敗しがちです。寒さは事前の対策を怠るとリカバーが難しく、「寒くて朝まで眠れなかった」という失敗談はよく聞きますし、冷え込み方によっては危険でもあります。
秋以降のキャンプでは、キャンプ地周辺の同時期の平年の最低気温(夜間の一番冷え込む気温)をあらかじめ調べておき、現地の標高や天気予報も考えながらしっかり計画を立てましょう。
シュラフは「快適温度」をチェックしましょう。快適温度は文字通り、そのシュラフを使って快適に眠ることができる温度のこと。秋キャンプでは0度〜10度以下がだいたいの目安ですが、時期やキャンプ地によっても異なってきます。アウトドア用品メーカーのコールマンは、目安として「最低気温からマイナス5度の快適温度のモデルを選ぶと多少の寒暖差に対応できる」とおすすめしています。
快適温度とは別に「限界使用温度」や「下限使用温度」が表示されているものもあり、この温度以下で眠ると危険なことを表しています。限界使用温度くらいに気温が下がるとかなり寒さを感じますので、快適温度を目安としてシュラフを選びましょう。
ただ、快適温度はメーカーによって「適正温度」(ロゴス)などと表記が異なることがありますので、注意しておきましょう。
シュラフは大きく「封筒型」と「マミー型」の2種類に分けられます。封筒型は文字通り封筒のような長方形の袋状のタイプ、マミー型はマミー(ミイラの意味)のように、頭まですっぽりかぶることができ、顔を出して眠るタイプのものです。
防寒という点では、封筒型よりマミー型のほうが保温性が高く、薄手にできるので、同じ快適温度であればマミー型のほうが収納時にコンパクトかつ軽量。中綿にダウンを使っているものを選べばより収納性も高まり、ソロキャンプや荷物を減らしたいツーリングなどに適しています。
一方の封筒型は、特にファミリーキャンプでは普段の寝床のように扱えるのがメリット。快適温度を参考に選び、肩口からの冷気の侵入対策も考えておきましょう。また、収納サイズがそれなりに大きくなるものが多いので注意。
アウトドア・登山用品メーカー、モンベルのマミー型。コストパフォーマンスに優れた「バロウバッグ」シリーズのうち、夏の高山から冬の低山キャンプまで対応できるのが「#3」です。総重量は1085gと軽量。伸縮性の高い「スーパースパイラルストレッチ システム」が快眠をサポートします。
モンベルは温度表記について欧州の基準を採用しており、このモデルの「快適温度」(主に女性が寒さを感じることなく睡眠できるとされる温度)は6度、「下限温度」(主に男性が寝袋の中で丸くなり、寒さを感じることなく睡眠できる温度)は1度となっています。
高品質なシュラフで知られる国内メーカー、ナンガ(NANGA)のマミー型です。ダウンを450g使用し、総重量は約865gとかなり軽量になっています。
ナンガは温度表記について欧州の基準を採用しており、このモデルの「快適温度」(一般的な成人女性が寒さを感じることなく寝ることができる温度域)はマイナス0度、「下限温度」(一般的な成人男性が寝袋の中で丸くなり、8時間寝られる温度域)はマイナス5度となっています。
アウトドア用品メーカー、コールマン(Coleman)の封筒型。ライナーにフリースを採用したシリーズで、このモデルの快適温度は5度となっています。重量は2.0kg。ファスナーを合わせることで連結が可能になっており、ファミリーキャンプに向いています。洗濯機による丸洗いも可能です。
アウトドア用品メーカー、ロゴス(LOGOS)の封筒型。素材にフランネルを採用し、肌触りがよく保温性も高いシリーズです。このモデルの適正温度は0度まで。同じシュラフとの連結が可能で、大型洗濯機で丸洗いもOK。総重量は約2.3kg。
コールマンの封筒型。外側と2種類のインナーという3つのレイヤーを組み合わせたり、分解したりすることで4シーズンに対応可能なユニークなモデルです。全てのレイヤーを組み合わせると快適温度はマイナス5度、アウトレイヤーとフリースレイヤーを組み合わせると5度、ミッドレイヤーとフリースレイヤーなら12度となっています。
使用時サイズは約90×200cmというゆったりサイズ。重量は約4.9kgです。
シュラフのインナー・アウターとして使える「インナーシュラフ」を用意しておけば、予想よりも寒かった場合に重ねて寝ることができます。収納がコンパクトなものがよいでしょう。
足が冷えて眠れない……という時にありがたいのが、お湯を沸かせば使える「湯たんぽ」。サブのウォータータンクとして用意しておく……というのもアリかも。
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