毎日の食事や「おやつ」の時間など、日常の欠かせない飲み物の1つである「牛乳(ミルク)」。いろいろな種類があって「何が違うのか分からない」という人もいると思います。
そこで、この記事では牛乳を選ぶ上で知っておくべきポイントと、それを踏まえた常温保存可能なおすすめ商品を紹介します。
この記事では特記のない限り、牛乳を主体とする「乳飲料」「加工乳」もまとめて「牛乳」と呼びます。
牛乳はウシの乳(ちち)……なのですが、厚生労働省が定める「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」によって非常に細かく分類されています。
この省令では、牛乳、めん羊乳(ヒツジの乳)や山羊乳(ヤギの乳)と、これらの加工品の分類方法を定義しています。その中で「牛乳」として定義されるものだけでも、以下の種類があります(定義は概要です)。
なお、上記以外のものは「牛乳」を名乗れません。牛乳をベースに栄養分、味(コーヒー粉、茶粉など)や糖分などを追加で添付したものは「加工乳」や「乳飲料」となります。両者の違いは以下の通りです。
「牛乳って、どれを飲んでも同じ味でしょ?」と思われがちですが、意外と幅広いです。全国メーカーの製品で同一パッケージで売られている製品でも、製造工場(あるいは生乳の産地)によって微妙に味が異なるケースもあります。もっといえば、季節によっても味わいに変化があります。
ただし、大まかな味の傾向は味の大まかな傾向は「無脂乳固形分」「乳脂肪分」の比率で分かります。無脂乳固形分と乳脂肪分は牛乳に含まれる固形分(乳固形分)を示します。呼び方からも分かる通り、固形分のうち乳脂肪分は脂肪に当たるもので、無脂乳固形分は乳脂肪分を除いた残りとなります。
基本的に、無脂乳固形分と乳脂肪分は高ければ高いほどコクのある味になります。「牛乳はコクの強さこそ重要!」という人は、無脂乳固形分や乳脂肪分の高めな牛乳を選ぶと良いでしょう。「もっとコクのある牛乳がいい!」という人は、ジャージー種のウシから取った牛乳や生クリームを追加で配合した乳飲料を買うと幸せになれるかもしれません。
逆に「味はあっさり目がいい」という人は、無脂乳固形分や乳脂肪分の低めな牛乳を選ぶと良いでしょう。「もっと薄い牛乳がいい!」という人は、低脂肪乳や無脂肪牛乳をおすすめします。
「できれば、生乳そのままの味がいい!」という人は、殺菌方法にも注目しましょう。
牛乳は、生乳を何らかの方法で殺菌したものです。多くは「加熱殺菌」(いったん生乳を加熱して雑菌を無力化する方法)が取られますが、加熱によってタンパク質や乳糖が変性(反応)し、ニオイや味に微妙な変化をもたらすことがあります。
低温殺菌を行った牛乳なら、ニオイや味の変化を抑えられます。生乳に近い味を求めるなら「低温殺菌」と書いてある牛乳を選んでみましょう。
スーパーマーケットやコンビニエンスストアで販売されている牛乳の多くは「日配品」、つまりほぼ毎日入荷するタイプです。このタイプの牛乳は未開封時の賞味期限が1週間〜10日程度と短めで、冷蔵庫で冷やす必要がある「要冷蔵」製品です。
それに対して、AmazonなどWeb通販サイトで販売されている牛乳の多くは「常温保存可能品」です。「ロングライフ(LL)牛乳」とも呼ばれる常温保存可能品は、15〜30度の室温で1〜3カ月保存できることが特徴です。冷蔵庫に空きがなくても、開封しなければ食料品の棚などに置いておけることもメリットです。
常温保存可能品が満たすべき基準も、先述の厚生労働省令で定められています。常温保存可能品を名乗るには、分類基準に加えて以下の基準を満たす必要があります。
冷蔵庫に空きが少ない場合、あるいは弁当と一緒に持ち歩きたいという場合に、常温保存可能な牛乳はおすすめです。ただし、開封後の扱いは通常の牛乳と同じなので、開封したら早めに消費しましょう。
以上のポイントを踏まえた上で、おすすめの常温保存可能な牛乳を幾つか紹介します。
森永乳業のスタンダードな牛乳「森永牛乳」の200ml品で、スーパーマーケットやコンビニエンスストアでも良く見かける定番です。
搾乳後48時間以内の生乳を超高温瞬間殺菌して無菌状態で封入しています。常温保存可能品で、賞味期限は製造日から60日後に設定されています。200mlと小容量の設定なので、弁当などと一緒に持ち運ぶことも容易です。
雪印メグミルクの常温保存可能な牛乳です。容量は200mlと1Lの2種類があります。賞味期限は製造日から91日間と、常温保存可能品の中でも長めに設定されています。
その名の通り、北海道産の生乳だけを使って作られていることが特徴です。200ml品は持ち歩きに、1L品は家庭でのストックにおすすめです。
南日本酪農協同の「デーリィ」ブランドから販売されている常温保存可能な牛乳風味の乳飲料です。容量は200mlと1Lの種類があります。賞味期限は製造日から90日間です。
カルシウムを接種する際、牛乳は一番効率的とされています。しかし、「乳糖不耐症」を抱えている人は、乳糖が原因でお腹を壊してしまいます。
そこでこの製品では、生乳に含まれる乳糖の80%をラクターゼ(酵素の一種)で分解し、乳糖不耐症の人でも飲みやすくしています。生乳の使用率は99%と“ほぼ牛乳”ですが、ラクターゼで乳糖を分解した兼ね合いで、一般的な牛乳より甘みがあります。
明治の常温保存可能な牛乳です。容量は200mlのみですが、通常パッケージに加えて「それいけアンパンマン」パッケージのもの(明治 それいけ!アンパンマンの北海道牛乳 )もあります。
その名の通り、北海道産の生乳だけを使って作られていることが特徴です。個包装の牛乳が好みという人にもおすすめです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.