日本の食文化に欠かせないお米。炊いたご飯を食べるだけでなく、米を原料にしたいくつもの食品や飲み物があるのは説明するまでもないでしょう。
お酒で言えば日本酒が代表的ですが、「米焼酎」も忘れてはいけない存在です。今回は、日本で作られている米焼酎のおすすめ銘柄を紹介します。
米焼酎は日本酒と同じように米を原料とする酒ですが、一番の違いは製造方法です。
日本酒は米を発酵させて造る「醸造酒」。かたや米焼酎は、醸造酒を加熱した際に出るエタノールの蒸気を集めて冷却し、液体に戻して造る「蒸留酒」です。基本的に蒸留酒のほうがアルコール度数は高くなります。
また、米の削り具合を示す精米歩合も異なります。日本酒の場合、一般的に60〜70%以下で、大吟醸であれば50%以下ですが、米焼酎はほとんどが85〜90%と、米の使われ方にも違いがあります。
米焼酎の代表的な生産地は熊本県です。中でも主要なエリアが、南部の人吉盆地です。現在27の蔵元が存在しており、この地で造られる米焼酎は「球磨焼酎」と呼ばれています。
球磨とは、人吉盆地を流れる日本三急流の一つ、球磨川に由来します。1995年、人吉の米を原料とした焼酎が、球磨焼酎として国から「地理的表示(GI)の産地指定」を受けました。
米焼酎はクセがほとんどなく、透き通った味わいが特徴です。そのため基本的にはどんな料理にも合うのですが、特に相性が良いのは和食でしょう。
例えば、魚の刺身や塩焼き、明太子といった魚介類、豆を原料とする味噌や豆腐などと合わせると、米の風味をいっそう感じることができます。
もちろん、熊本の郷土料理である、馬刺しやからし蓮根との相性も抜群です。
1900年創業の老舗酒造メーカーである高橋酒造は、本格米焼酎「白岳」を主力に、いくつかの商品ラインアップを展開しています。
この「しろ」は、白岳の高級ブランドに位置付けられる商品で「モンドセレクション金賞」を7年連続で受賞しました。
軽やかな口当たりはさまざまな料理に合うため、食中酒として最適です。アルコール度数は25度、価格は720ミリリットル入りで1000円程度です。
球磨川の最上流、宮崎県との県境にある熊本県水上村で造られているのが「大石」です。
球磨焼酎を代表する銘柄であり、最大の特徴は樽貯蔵している点です。シェリー樽とコニャック樽を使って長期熟成した大石は、コクがあり、まろやかな味わいとなっています。
アルコール度数は25度、価格は720ミリリットル入りで2300円程度です。
鳥飼酒造の唯一の商品が「吟香鳥飼(ぎんかとりかい)」です。全国で販売され、飲食店などにも広く流通していることから、飲んだことのある人も多いかもしれません。
銘柄名の由来は、“吟醸こうじ”(58%に磨かれた米)と、それによって生まれる華やかな“香り”からきています。造り手の強いこだわりが感じられる米焼酎です。
アルコール度数は25度、価格は720ミリリットル入りで2200円前後です。
「『川辺』の原料は 水と米、ただそれだけ」――。繊月酒造の商品ページにこう記載されている通り、「川辺」は水と米に自信を持っています。
水は、球磨川水系の最大の支流である川辺川のものを使用。川辺川は国土交通省の「一級河川水質ランキング調査」において、15年連続で全国一に輝いています。かたや米は、相良村で生産される「ひのひかり」を使用。豊富なミネラルと酸素を含んだ水によって栽培されたこの米は、甘みや粘りがあります。
国内だけでなく、米国など海外数カ国にも輸出されている、愛好家の多い銘柄です。アルコール度数は25度、価格は1800ミリリットル入りで2900円程度です。
焼酎の蒸留方法は大きく2つあります。1つは「常圧蒸留」は、蒸留したい液体に熱を加え、その蒸気を集めて冷却、液化する方式です。
もう1つの「減圧蒸留」は、蒸留器内の気圧を下げて蒸留する方式で、40〜50度ほどで沸騰させます。後者のほうが口当たりが軽くて、飲みやすい焼酎に仕上がります。
幅広い人たちに飲んでもらえることから、減圧蒸留で造る焼酎は少なくありませんが、寿福酒造場は1890年の創業以来、常圧蒸留ひとすじを守り抜いています。その代表作が、この「武者返し」です。
酒造りの全工程を手作業で行うため、大量生産はできませんが、常圧蒸留ならではの濃厚なコクと、キレの良さは、多くの球磨焼酎ファンに愛され続けています。
アルコール度数は25度、価格は1800ミリリットルで3120円(送料込み)。
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